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【映画感想】映画のシンクロニシティ-『デッドプール2』『万引き家族』『ゲティ家の身代金』は全部観るとシンクロする!

名画座の特集上映やオールナイト、2番館での2本立てなどに通うようになり分かってきたことがあります。短い間に複数の映画を観た際、共通したり相反するテーマやイメージが頭の中に蓄積され、単独作品を観ただけの気持ちとはまた違う印象を残すことがあるのです。映画のシンクロニシティです。

映画のシンクロニシティ

はっきり意識したのは、目黒駅前の映画館「目黒シネマ」での、『何者 (2016年 監督:三浦大輔)』と『SCOOP!(2016年 監督:大根仁)』の2本立てでした。この2作、もちろんシリーズでもなんでもありませんが、二階堂ふみさんがメイン出演という以外にもリンクしている部分がありました。『何者』は、就職活動という、無限の可能性に満ちたキラキラさと、その裏にある、SNS等を通して見える暗い卑しい感情を同時に描いた作品。一方『SCOOP!』は、週刊誌の編集部に入りたての新人と、行く先が見えずもがいているベテランパパラッチの仕事・業界を描いた作品。『SCOOP!』は、『何者』で描かれたことの延長線上にあり、連続で観るとどちらのテーマも強調してくれるような独特の印象が生まれたのです。

疑似家族の絆

デッドプール2』で、デッドプールは自らこの映画を「ファミリームービー」と紹介します。それはジョークに聞こえますが嘘ではありません。ジャンルはヒーロー映画&コメディ映画ですが、人種差別問題をミュータントという特殊能力を持つ新人類に置き換えている「X-MEN」シリーズのテーマを引き継いでいます。心に傷を持った人、周りと違う人、身寄りのない人同士が、チーム/疑似家族となっていく人情ばなしが『デッドプール2』なのです。

万引き家族』は、それと全く同じです。様々な理由で普通の家族が作れず、社会から疎外された人々が疑似家族となる人情ばなし。それが『万引き家族』です。(この作品については前回の感想もご参考ください ↓) 

【映画感想】『万引き家族』は実質アベンジャーズ - 映画とかのおはなしブログ

 片方は最高にふざけたエンタメヒーロー映画。片方はカンヌパルムドールですが、共通するテーマを持っていることが分かり、印象が深まります。

そしてさらに、もう一作合わせて観てほしいのが『ゲティ家の身代金』(2018年 アメリカ 監督:リドリー・スコット)です。

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家族・お金・誘拐

ゲティ家の身代金』は、実際にあった誘拐事件を描いた映画です。世界一の大富豪の孫のひとりが営利誘拐。犯人は超高額な身代金を要求。しかし、血の繋がった可愛がっていた孫にもかかわらず、富豪はビタ一文も払おうとしません。世界一の大富豪が大富豪成りえたのは、世界一どケチだったからなのです! 

息子をなんとしてでも助けたい母親。いくら脅しても払われない身代金に焦る犯人。いつの間にか善悪のバランスがおかしくなり、正しい正しくないとは無関係に、いかにして世界一の大富豪にお金を出してもらうかという、お金中心の奇妙なコミュニケーションが動いていきます。

映画『万引き家族』は、それと正反対の状況になります。この家族は、万引き・横領・ゆすり・寄生、無しには生活できないほどの貧困。しかし、通りすがりに5歳の女の子が虐待されているのを知り、「お金にならない」のに放っておけず、保護してしまいます。しかし、その行為は世の中から見ると怪しい犯罪集団が女の子を誘拐したとしかみなされず、家族は糾弾されていきます…。一体、何が正解で誰かが正しかったのでしょうか?。それぞれが単独で考えさせられる大作ですが、両方観ることで、より深みが増してきます。

そういった、映画のシンクロニシティが味わえます。『デッドプール2』『万引き家族』『ゲティ家の身代金』のどれかひとつでもご覧になった方は、ぜひ他の作品も観てください!

映画『デッドプール2』公式サイト

是枝裕和監督 最新作『万引き家族』公式サイト

映画『ゲティ家の身代金』 | 5月25日(金)全国ロードショー