映画とかのおはなしブログ

映画、漫画、本、などの感想とかのやつ。  ツイッター@tenguotoko

2017年映画感想ツイートまとめ その6 (10月分 21本くらい)

前回   2017年映画感想ツイートまとめ その5 (9月分27本くらい) - 映画とかのおはなしブログ

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。観た作品全部の感想を書いているわけではない。()は観賞した映画館orメディア。

極道大戦争』(2015年) 監督:三池崇史 (TV録画)

ゾンビヤクザコメディだと思ってたが、予告もポスターもミスリード。人情ヤクザ映画的な世界観が、西部劇/カンフー/アキバ系/着ぐるみ特撮といった、他の娯楽要素の襲来で無茶苦茶になっていく。という現代娯楽映画の状況を描く異常な作品。カエルがメイン。

『わが青春のアルカディア』(1982年) 監督:勝間田具治 (目黒シネマ)

初見。キャプテンハーロックのエピソードゼロという趣。第二次大戦中に活躍したご先祖さまの話が結構長尺あり、自分は今何を観てるのかと不思議な気持ち。ハーロックという男の持つ、謎の浪漫的説得力で話がとにかく進んでいく。スクリーンで観る終盤の宇宙戦はかなり迫力あった。

『見知らぬ乗客』(1951年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (新文芸坐)

移動中の有名テニス選手に話しかけてきた男は異常者だった! そこはかとなく弱みを嗅ぎ取り、ずけずけと日常に進入してくる男のヤバさが怖面白い。ジョジョで新手のスタンド使いがいつの間にか出てくる感じは、こういう所から影響受けてるのかな。

私は告白する』(1953年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (新文芸坐)

神父が懺悔室で殺人を告白される。罠にハメられ、容疑者にされてしまうが敬虔過ぎる人なので言わない。超人的に戒律を守る神父という存在から、杜撰な警察捜査や裁判制度の問題点と、スキャンダル精神で物事を捻じ曲げる世間が見える、当時の社会派映画な感じ。

インランド・エンパイア』(2006年) 監督:デヴィッド・リンチ (角川シネマ新宿)

女優さんが映画のいい役に選ばれたらしいが、過去のトラウマを思い出したりしてるうちに…? 現実と記憶と役が混ざり、よく分からない…。のが3時間も!続くが、体感時間は2時間20分くらい。「映画怖い顔選手権」をやったらトップ級の奴が出て怖い。

『ソウル・ステーション パンデミック(字幕)』監督:ヨン・サンホ (新宿ピカデリー)

「新感染」の1作目である長編アニメ映画。アクションエンタメ度も強かった新感染と比べると、王道のゾンビ発端モノ。韓国暴力映画のエッセンスがあり、ホームレスやネカフェ難民等、多くの貧困者が困窮してる韓国の暗い社会がシビアに描かれている。

マングラー』(1995年) 監督:トビー・フーパー (新文芸坐

大きなクリーニング工場で、人がプレス機に巻き込まれる大事故が相次ぎ、刑事が捜査。従業員を奴隷のように働かせ、事故も賄賂で揉み消す超ブラック企業と、それを許す社会を風刺したモンスター映画。プレス機(と冷蔵庫さん)の存在感が異様。

黒沢清監督は、『DOORⅢ』から『クリーピー』まで頻繁に『悪魔のいけにえ』リスペクトをしているけど、『ニンゲン合格(99)』(ホラーじゃない)で崩れてくるアレは、もしやマングラーへのリスペクトだったのか。

アウトレイジ 最終章』 監督:北野武 (T-JOY品川)

めちゃ悪〜い顔面達が繰り広げる、脅し・欺き・マウンティングなコミュニケーションの応酬。それの最上位のものとして、本当に権力の頂点になると、本人が指示せずとも周囲が忖度して行動する様も描く。期待通りのものを見せてくれる、人間関係エンタメ映画。

ブレードランナー ファイナル・カット』監督:リドリー・スコット (丸の内ピカデリー爆音映画祭】)

劇場観賞初。昔DVDで観た際は何とも思わない作品だった。しかし大スクリーン爆音で観ると、美しい未来都市の中に自分も飛び込んでるような素晴らしい臨場感。終盤は、物語の停滞と共に心の話になるが、割とタルコフスキー的な印象。

それと、今の視点で『ブレードランナー』を観直すと、「人類は新たな植民星を求めて広く宇宙に進出しているが、レプリカントが結構宇宙船を奪ったりしている」みたいな話題が劇中に普通にあって、エイリアンシリーズと普通に地続きのユニバースを隠しているつもりもないということが明白に分かる。

TVアニメ『リーンの翼』(2005-2006年) 監督:富野由悠季 (Amazonプライム)

10年ぶり再見。第5話。エイサップとサコミズが太平戦争にタイムスリップし、東京大空襲/あの日の広島/沖縄戦 を目撃するが、触れることはできないという展開。今観ると、風立ちぬ/この世界の片隅に/ハクソーリッジ等を僅か数分間で先行横断してる感じもある。

あさひなぐ』 監督:英勉 (T-JOY品川)

ダメダメだった女の子が薙刀部で青春友情。原作は真面目なスポーツ漫画だが、こちらはスポ根アイドル映画で異なる味わい。主要人物各々に魅力あるのに見せ場が足りないのと、終盤が練習試合なのは残念。コメディパートが結構面白く、顧問役 中村倫也さんのおどけ芝居が牽引してた。

アナベル 死霊人形の誕生』 監督:デヴィッド・F・サンドバーグ (新宿ピカデリー)

孤児らが来た家にお化けが出る。「いないいない…いない」連発で焦らしつつ、不意に正面ストレートの怖がらせが出る。ホラージャンキーとしては物足りぬ怖さだが、埋まった客席の反応は上々。普段ホラーを見ない人にこそオススメな、正統派ホラープログラムピクチャー。

これは何度でも書くことだが、アナベルの正体は悪魔らしいので、エクソシスト感ある攻撃もあるのは分からなくもないが、ホラー映画の中でお化けや幽霊がサイコキネシス攻撃をした途端にリアリティラインがライトノベル位になってしまい、恐怖が薄まるということだけは世界中のホラー映画製作者さんに分かってもらいたい。

2001年宇宙の旅』(1968年) 監督:スタンリー・キューブリック (丸の内ピカデリー爆音映画祭)

映画館観賞は初。展開は知ってるが、各シーンはあまり覚えてない状態で観賞。大音響でタイトルが出る時点で既に謎のありがたみ。爆音で流れるクラシックは、聖堂で洗脳音楽聴いてる感じ。ノイズ音はヒリヒリ。HALが怪しくなるあたりの中盤はほぼサスペンス映画だった。終盤は感謝感謝。

フルメタル・ジャケット(1987年) 監督:スタンリー・キューブリック (丸の内ピカデリー爆音映画祭】)

映画館観賞は初。前半は、口が悪いが頼もしく優しく優秀な教官ハートマン軍曹のオンステージ。怒号がとぶ爆音でとっても面白かった。後半の戦争パートは、その後の作品にオマージュされまくり&この後の戦争映画の描写がインフレしていったからだろうが、前線に着いてからがかなり淡白な印象。

クレールの膝』(1970年) 監督:エリック・ロメール (恵比寿ガーデンシネマ)

タイトル通り、クレールとその膝がめちゃ綺麗なので、おじさんが若い女の子に声かける話に思えるが、それはミスリード。結婚間際(と自称してる)遊び人(ぽく振舞う)男が、元恋人?に会いたくて、わざわざ来た話と考えると、見える景色が全然違う…

『鉱 ARAGANE』監督:小田香 (新宿K`sシネマ)

爆音上映がデフォの作品。外国の炭鉱の作業現場に潜り込んでいく体験型ドキュメンタリー。映るのは静寂すら感じる淡々とした作業だが、金属がぶつかり機械が唸る過酷な轟音騒音が鳴り止まない。68分という短い尺だが、それ以上の体験は無理と思える疲労感。未体験の映画体験となった。

f:id:tenguotoko:20211019212604j:plain

『劇場版 Fate/stay night HF I. presage flower【極爆】』監督:須藤友徳 (立川シネマシティ)

今までのアニメ版Fateを観ただけの状態で、ゲーム未プレイで観賞。日常を丁寧に描きつつ、同じ感じに展開かと思いきや、雲行き変わる。ランサーの戦闘場面で、伝奇系アニメとしては夢に描くようなアクションが出る。

サスペリア PART2【全編上映&シンクロライヴ】』(1975年) 監督:ダリオ・アルジェント (川崎クラブチッタ)

映画館での観賞自体が初。昔ビデオで観たきりで、例の廊下のシーンと怖い人形以外覚えておらず、新鮮。今観ると、ホラーというよりも、怖い雰囲気かつ何か引っかかりの残るミステリー映画。生演奏によるショックシーンは尋常じゃない盛り上がりだった。

『NIGHT SAFARI』(2014年) 監督:小林勇貴 (渋谷UPLINK)

電話一本で安易に始まる不良達のリンチ。やられた側もすぐ仕返し。煽った後続車なんか当たり前に暴行する悪い日常の中で続く、汚い喧嘩合戦。「暴力大好きだが敵と味方の区別もつかないヤバい奴」など、キャラの立った不良達が面白い。

ちなみに、今回小林勇貴監督特襲では、上映に一回参加毎に、「ヤンキー総選挙」の投票権と「監督にクソリプみたいな感想を伝える権利」をもらえた。おもしろい。

f:id:tenguotoko:20211019213458j:plain

ゲット・アウト』監督:ジョーダン・ピール (TOHOシネマズ新宿)

黒人彼氏が白人彼女の実家にドキドキ挨拶。両親の暖かい出迎え。だがこの実家、何かがおかしい?  徐々に徐々に増していく違和感と、息が止まりそうな緊張がヤバい、人種差別ホラーの名作。ネタ知らずの方が絶対楽しめるので皆ネット切って今すぐ観賞!

『Super Tandem』(2014年) 監督:小林勇貴 (渋谷UPLINK)

会社を辞め富士宮で自警団活動する男&親友の重度失調症ベイビードライバー。「万引き犯から奪った、オヤマ!菊之助(エロ漫画)の単行本を、絵の具で塗ってカラー海賊版として路上で転売(それも金目当て)」という、世界犯罪映画史上最も低い犯罪が出る!

この月は、丸の内ピカデリーの爆音上映会で観賞したブレードランナー』『2001年宇宙の旅』と、新宿K`sシネマ『鉱 ARAGANE』が特に印象に残っている。爆音上映は素晴らしいです。

【次回】 

tenguotoko.hatenablog.com