2018年映画感想ツイートまとめ 1月分 12本くらい
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2017年映画感想ツイートまとめ その8 (12月分 22本くらい) - 映画とかのおはなしブログ
元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。
『キングスマン ゴールデン・サークル』監督:マシュー・ヴォーン (TOHOシネマズ渋谷)
前作未見、スパイものくらいの知識だけで観賞。ダレる場面無くサクサク進行。ほぼコメディな、ふざけてる映画なのに、死亡者多数で残酷描写もあるバランスと、人間愛あるのか無いのか分からんさじ加減が斬新。気軽な娯楽映画として普通に面白かった。
『レベッカ』(1940) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (シネマヴェーラ渋谷)
ホウレンソウの苦手な女子が金持ちに見初められ再婚相手に。だが、メイドらから前の奥さんの方が良かったとパワハラ。サスペンスという感じでもなく、上映時間2時間越えの中、連絡不足と、いじめと事件の濡れ衣状況とでムカムカしっぱなしという映画。
『海外特派員』(1940) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (シネマヴェーラ渋谷)
米国記者が、英国で特ダネ探すうちに暗殺事件。ミステリー系サスペンスの枠を超え、追跡、逃亡、意外な黒幕、国際的陰謀と、ほとんどスパイ映画。面白コメディだったはずなのに、どんどんシリアスになり、終わる頃には結構な大作を観たなという感触。
『早春【デジタルリマスター版】』(1970) 監督:イエジー・スコリモフスキ (恵比寿ガーデンシネマ)
15歳の綺麗な男の子が大人びた女の子に惚れて、頭わけわかめになっちゃう。好きになった結果の目茶苦茶な行動がノンストップ。あなたは、「推しに似た人の等身大パネルを抱えて地下鉄をウロつく美少年」を見たことがあるか!? これは超面白い!
『決闘高田の馬場』(1937) 監督:マキノ正博 (神保町シアター)
強い呑んだくれ侍が活躍する1時間未満の中篇。「娯楽チャンバラ時代劇そのもの」という趣。王道の骨組は、後の時代劇だけにとどまらず、今のスーパー戦隊、仮面ライダー、プリキュアに至るまで、この作品の遺伝子が繋がってるのではという感触。モードチェンジもしてたぞ。
娘と母の家族ドラマに、わずかに心霊の存在感? 一方、女の子ふたりの謎の多い共同生活は、あの世みたいな気配。同じ家を舞台に、別の二つのエピソードが並走していく、ネオ心霊映画。じわじわとワクワク来る素敵ショットがいっぱい。かなり好きな雰囲気の、いい映画!
『バーフバリ 王の凱旋』監督:S・S・ラージャマウリ (丸の内TOEI)
1作目の延長の娯楽バトル合戦にはなかなかならず、強く正しい王が自国血族のクソぶりと対峙。そして終盤にハジケる! 前作を予習してたのに、後半に現代パートに戻るまで、長過ぎる回想だと全く気づかなかった位のめり込んで観ていた… 上映時間2時間半だが、体感4時間半の神話!
バーフバリ様。『HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION』の雨宮兄弟と同じく、「鎖を自分に巻きつける」という手法で逆転していた。そのシンクロニシティ自体は超面白いとしても、前日に観た『決闘高田の馬場』で、既に背中に「たすきがけ」してパワーアップしてたので、「なんか巻く」ってのは映画世界では伝統的な手法なんだな。
『映画 中二病でも恋がしたい!Take On Me』監督:石原立也 (池袋シネマサンシャイン)
完全新作の続編。ウブすぎる高校生カップルが、かわいい駆け落ちをする。結構な距離を逃げるので、日常ラブコメの人物がロードムービーする(実質はキラキラデート)、という珍しいアニメ映画に。中二病ギャグの天丼も楽しく可愛いかった。
この作品では、本編開始前の諸注意パートで、いきなりフォトセッションが始まるのには驚いた。「携帯をオフにしてる人は今のうちに電源入れてね!」とお客さんに呼びかけてくる映画なんて初めて。
『クラッシャージョウ』(1983) 監督:安彦良和 (丸の内ピカデリー爆音映画祭)
安彦キャラと、80年代メカの大画面ゴリゴリが嬉しい、宇宙活劇まんが映画。リマスター画質でのクリアなセル作画がスクリーンに拡がるのは快感。ドッグファイトや宇宙戦闘は迫力あった。リアル路線ではあるのに、敵の感じだけ妙にまんがの悪者っぽすぎるのは、謎バランス。尺が長〜く感じた。
『バーミー』監督:田中隼 (新宿シネマカリテ)
幽霊が見えてしまう男が、生活に支障きたす。序盤は黒沢清『回路』や『降霊』の延長的な良いJホラー。惹きつけられる痺れるショットも多数。だがしかし、男が霊への態度を変えることにより、緊迫感を残しつつも映画の様子がおかしくなる。こんなヘンな映画にはなかなか出会えない。
『ザ・リング/リバース』監督:F・ハビエル・グティエレス (TOHO新宿)
ハリウッド版リングの実質現代リメイク。Jホラー要素は少ない。『ファイナル・デスティネーション』や『アンフレンデッド』や、作品名を出すとネタバレになる2016年作品や、『貞子VS伽椰子』まで、近年のホラー映画のサンプリングを散りばめた量産型洋ホラー。そんなに怖くないので、ホラー苦手くらいの人がちょうど楽しめそう。
『ゴジラの逆襲』(1955) 監督:小田基義 (TOHOシネマズ日劇、さよなら日劇ラストショウ)
映画館観賞は初。倒せないと分かっている二体の怪獣が上陸し対決する。美しい照明弾作戦のシーンから、二大怪獣が大阪を横断する前半は、天変地異が来たような独特の静寂と暴走の魅力がある。後半は、普通の日本映画のような雰囲気のまま、個人がゴジラと対峙する、という静かで不思議なバランス。
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この月を振り返ると、 清原惟監督『わたしたちの家』、田中隼監督『バーミー』というふたつの新しい心霊映画が特異的。どちらも、Jホラーが進化発展したような別の地点にそれぞれ到達している作品。現時点では、上映の機会も少ない上にソフト化もされていないのがもったいない。
【次回】