映画とかのおはなしブログ

映画、漫画、本、などの感想とかのやつ。  ツイッター@tenguotoko

2018年映画感想ツイートまとめ 3月4月分 19本分くらい

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。

前回 2018年映画感想ツイートまとめ 2月分 18本分くらい - 映画とかのおはなしブログ

シェイプ・オブ・ウォーター』監督:ギレルモ・デル・トロ (TOHO渋谷)

冷戦時代アメリカ。結構雑な超秘密研究所に捕らえられた魚人と、発声障害の女性の奇妙な正統派純愛ドラマ。モンスターやスパイもののエッセンスが嬉しい最新のおとぎ話。本筋以外も一貫した反差別的テーマ。美女と野獣の超アップデート版。

15時17分、パリ行き』監督:クリント・イーストウッド (新宿ピカデリー)

偶然居合わせた人が列車テロを阻止できた奇跡の奇跡っぷりを、再現ドラマを超える本物不思議リアリティで描く、奇跡のドラマティック劇映画。挫折や上手くいかないことが沢山あっても、それでも、人が普通に正しく生きていくことを支えてくれるような力がある。

 『ゴーストスクワッド』監督:井口昇 (渋谷アップリンク)

孤独な女の子が、幽霊に取り憑かれ復讐に協力。ルックはふざけたコントなのに、理不尽に惨殺されていた霊の怨念の由来がはっきり提示され、辛い黒い深刻さが蓄積。切なさ/おかしな馬鹿馬鹿しさ/無念/憤りが混ざった、複雑な気持ちになってしまう映画。

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』監督:ヨルゴス・ランティモス (ヒューマントラスト渋谷)

外科医の元に一人の少年が訪ねてくる。感動ヒューマンドラマになってもおかしくない始まりだが、歩くの早くね?等、妙な違和感が続き逆転。観賞中は謎多き作品に感じるが、観終わって振り返ると、シンプルにどんどん厭な気持ちになっていく呪いのホラー映画。

f:id:tenguotoko:20211030010303j:plain

ブラックパンサー【IMAX3D】』監督:ライアン・クーグラー (T-JOY品川)

アフリカの小国の王様が頑張る。隠された超技術国という設定により、スパイ映画風味もあるガジェットアクション&王様映画。MCUの一篇である主張控えめで、一本の娯楽映画として成立。中盤の韓国パートの活劇が、スーツと車の性能を活かしていて中々面白かった。

『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』監督:河森正治 (池袋HUMAX)

TV版の総集編のはずだが、綺麗に一本の漫画映画になってることに驚き。終盤いわゆるマクロスっぽくなるまで、8割がたアイドルアニメ。アイカツ的マインドが戦場で生身で披露される、地上戦のノリがいい。曲は好きな「絶対零度θノヴァティック」が流れないのが残念。

リメンバー・ミー【字幕2D】』監督:リー・アンクリッチ (TOHOシネマズ新宿)

お盆のメキシコ。音楽禁止一家でミュージシャンに憧れる少年が、先祖達の霊と会い、あの世に行ってみる。この世もあの世も祝祭感が美麗。世界設定に独自のお彼岸的宗教観があり、綺麗事だけじゃない実はSFなヒューマンドラマ。結構な大人向けの映画です。

f:id:tenguotoko:20211030014736j:plain

アナと雪の女王/家族の思い出』監督:スティービー・ワーマーズ

リメンバー・ミー』の同時上映。ピクサーのいつもの短編枠と思ってたら、長いので奇妙な気持ちになり、体感時間は実時間以上。途中で雪だるまがファイナルデスティネーションする瞬間だけ狂気があり、怖かった。アナの異様にかわいい萌えシーンがあるぞ。

ちはやふる 結び』監督:小泉徳宏 (TOHO新宿)

上下でも完結してた気がするが、立派な続編かつ完結編。好感しか感じない魅力的な奴らの、輝くスポ根青春バトルドラマの続きが、2時間も楽しめてしまう。新入部員周りエピソードも笑って泣ける。全国大会に行くの当然みたいだった中、中盤の試合におけるピンチの展開も熱い!

f:id:tenguotoko:20211030014923j:plain

さよならの朝に約束の花をかざろう』監督:岡田麿里 (新宿バルト9)

不老種族の女の子が赤ちゃんを拾い、貧困シングルマザーとして育てる。最初は王道の親子ドラマだが、自分は老いないまま普通の人の人生は進んでしまい、悲しさが増していく。アニメや映画が終わってもそこで感じた気持ちはなくならない、という映画かも。

グレイテスト・ショーマン』監督:マイケル・グレイシー (TOHOシネマズ渋谷)

フリークスを集めたサーカスを興す男。巧みな省略のするするテンポで、終盤停滞するまではずっと面白いまま。純粋娯楽映画であると同時に、嘘の見世物=映画について語り体現した作品でもある。新作なのに、名作劇場的なもののリメイクみたいな感触がある。

『サイレン』(2016年) 監督:グレッグ・ビショップ (Amazon primeビデオ)

同名のゲームとは無関係。ボンクラ男達が結婚前に遊ぶぜと来た郊外の秘密クラブ。激エロらしいぜと期待してたら、狩りごっこが得意なリアルけものフレンズがいたもんで、死ぬほどドッタンバッタン大騒ぎ。V/H/Sシンドロームの一編の長編化らしいが、それは覚えてなかった普通のホラー。

パシフィック・リム アップライジング【IMAX3D】』監督:スティーヴン・S・デナイト (T-JOY品川)

青空が多い効果か、前作以上に普通のロボットアニメを実写映画に昇華した感があり、TVアニメを4話続けて観たくらいの感触。リアルとスーパーのさじ加減が良く、人間同士の戦いに傾くかと思いきや、魂ある娯楽ロボットヒーロー作品にまとまっていく。

ミスミソウ』監督:内藤瑛亮 (池袋シネマロサ)

田舎で女の子が壮絶ないじめ被害。10代の時に観るのが一番楽しめる内容だが、絵的にも精神的にも容赦なく、結構厭な気持ちに。邦画ではあまり見たことない王道のリベンジ映画であり、さらに、普通の映画ならそこでラストという、いい場面の先に、かなり悪い(良い)ショックが何度もある。

ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル【字幕2D】』監督:ジェイク・カスダン (TOHOシネマズ日本橋)

高校生4人が呪いのゲーム内で冒険。それぞれ問題をかかえている本人と、ゲーム内キャラとのギャップによるドラマは愉快で、結構いいお話。TVゲームらしさを実写で見せるギャグも楽しい。誰もが観ればいい、普通に面白い娯楽映画。

クソ野郎と美しき世界』監督:園子温山内ケンジ太田光児玉裕一 (TOHOシネマズ六本木)

オムニバスが何話あり、どれをどの監督が撮ったかも調べずに行ったが、それが正解!ヘンで頭おかしいカルトコメディ映画(なぜかどれも90年代感ある)と、輝くスーパースター映画が両立しているという、今までにない幸福な映画体験!想像以上に楽しかった。

ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』監督:スティーヴン・スピルバーグ (T-JOY品川)

米国が負けると分かっていてベトナム戦争を続け、それを隠蔽してた、というスキャンダルを、新聞社が暴いた事件の映画化。単なるスクープ狙いが、いつしか大勢の人生を賭けた戦いに。雑談とホウレンソウだけなのに、こんなに面白くサスペンス映画で偉大。

レディ・プレイヤー1【IMAX3D】』監督:スティーヴン・スピルバーグ (T-JOY品川)

20世紀の娯楽映画アニメゲーム的文化を総まとめ。これらカルチャーを浴び続けた記憶こそがリアルだ!「全ての映画はアニメになる」まま、先に進んだ感もある超凄い映画。話題のガンダムなどのキャラクター登場は勿論良いが、第2の鍵探しステージに入る最高の瞬間は絶対3D上映で!

それまで観た全ての映画の中で、絶対3Dがいいと思った映画は『ドットハック セカイの向こうに』と『フラッシュバックメモリーズ』くらいしかないのだけど、『レディ・プレイヤー1』も、絶対3D(メガネ)で観るべき映画でした! IMAX3Dを選んだけど、4DX3Dの臨場感もヤバそう。

ちなみに、映画のテーマが、キングゲイナーや劇場版Zガンダムに込められた富野監督のメッセージと完全に同じでした。RX-78ダブルゼータガンダムの決めポーズをとっているのは、「元気のG」的な、オーガニック的な何かへのリスペクトを象徴していると受け取りました!

f:id:tenguotoko:20211030013407j:plain

アベンジャーズ インフィニティ・ウォー【IMAX3D】』監督:アンソニー・ルッソジョー・ルッソ (T-JOY品川)

単なる3度目のヒーロー集合映画ではなく、個々のヒーローそれぞれの、今までを踏まえた続編として成り立たせていることが、素晴らしく奇跡的なキャラクター映画。このシリーズ以外では不可能な終わらせ方も含め、キャラクターエンタメの最先端。

ちなみに、3Dの立体感が今まで観た3D映画のどれよりも強く、良かった。シーンによっては字幕が一番手前ではなかったりと、次世代の3Dとして色々工夫されている感じ。

この月は、『15時17分、パリ行き』『ちはやふる-結び-』『『リメンバー・ミー』『グレイテスト・ショーマン』『レディ・プレイヤー1』『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』と、大作で面白い映画が公開されまくりでした。面白い映画がありすぎて嬉しい悲鳴でした。。

【次回に続く】

2018年映画感想ツイートまとめ 2月分 18本分くらい

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。

前回 2018年映画感想ツイートまとめ 1月分 12本くらい - 映画とかのおはなしブログ

不能犯』監督:白石晃士 (T-JOY品川)

犯罪と立証できない連続殺人事件の容疑者である黒い男を、警察が追う。各事件にはそれぞれ小さな謎があり、明らかになる真実は悲惨。ほとんど地獄少女と化している松坂桃李の出入り頻度激しく、都市伝説的な謎の人物のわりに、すぐ連絡つくしあらゆる場面で現場に出てくるのでなんか楽しくなるぞ。

 『アバター【字幕3D】』(2009年) 監督:ジェームズ・キャメロン (TOHOシネマズ日劇)

完全初見。導入の宇宙SF感は勘違いで、実質ファンタジーCGアニメ映画。規模の小さいFF。この惑星は地球のあらゆる戦場より地獄!と言ってるわりにはユートピア。怪獣とパワードスーツ軍人の戦闘などは良いけど、長い長い!3Dはリアルタイムで観たら凄かったのかな?

スリー・ビルボード』監督:マーティン・マクドナー (TOHOシネマズシャンテ)

田舎町、娘を惨殺された母親が、捜査進まない警察を糾弾する広告を出したことで、周囲の人々が様々に反応。苦しむ一個人が、クソな社会と対峙し続ける。だがその社会も、苦しむ個人それぞれの集まりであろうことも見えてくる。受け入れるのに体力も精神力も必要な大作。

RAW〜少女のめざめ〜』監督:ジュリア・デュクルノー (TOHO六本木)

ベジタリアン少女が入学した獣医大学は超体育会。潔癖気質にはキツい慣習の数々を強いられるうちに、いつの間にか人を食べたくなってしまう。恐怖映画ではなく、ヒリヒリするイニシエーションスプラッタ。新しい環境に悩む人が見たら少し救いになるかもしれない。

『パターソン』監督:ジム・ジャームッシュ (目黒シネマ)

起きて歩いて出勤して… 。市バス運転手で詩人の男の一週間を追体験。繰り返す毎日の中で、頭の片隅にわずかに残る言葉や出来事が通り過ぎていく。徒歩やバスの移動シーンは何故だか目が離せない。観賞後に、自分の心があきらかに浄化されているという映画体験は初めて。

デトロイト』監督:キャスリン・ビグロー (TOHOシネマズシャンテ)

1967年に起きた超大規模な暴動の発生〜拡大。どうにもならなくなる火中を目の当たりにする体験。事態がどんどん悪くなっていく緊張と不安のサスペンスに圧倒される。理不尽で厭過ぎて怖過ぎる。人種差別問題に限らない、幅広い意味で道徳の教科書になるべき映画。

ゆれる人魚』監督:アグニェシュカ・スモチンスカ (新宿シネマカリテ)

童話の人魚姫を、ミュージカル演出等でおしゃれでかわいく整えた怪奇映画。人魚に人間の価値観や常識が無いリアリティ等、独自の面白さもあるが、人魚二人の美しさとキャラを楽しむ作品かも。予告編から感じられるワンダーはそのままあるので、予告で気になった人にオススメ。

www.youtube.com

霊的ボリシェヴィキ』監督:高橋洋 (渋谷ユーロスペース)

あの世とこの世を繋げようとするグループが、百物語を発展させたような謎の実験をする。個々の語りはいわゆる怪談とも違う話で、内容もバラバラだが、ずっと聞いてると想像力を刺激され、霊的な何かが起きてもおかしくない気分になっていく。観客参加型の心霊映画。

f:id:tenguotoko:20211025075347j:plain

『赤色彗星倶楽部』監督:武井佑吏 (ポレポレ東中野)

ゆるい天文部文系男子の、漫画みたいな青春。文化祭前の空気に代表されるような、誰かの高校時代にあったのかもしれない、キラキラソワソワの美しい感触を封じ込めた映画。その純粋さノベルゲーム級。手島実優さん演じるヒロインがとっても魅力的に撮られてる。

ところで、『霊的ボリシェヴィキ』→『赤色彗星倶楽部』と、今まで映画の中では聞いたことがないボリシェヴィキという言葉が出てくる映画を2作続けて観るというシンクロニシティが起きてヘンな気持ち。

未知との遭遇(特別編)』監督:スティーヴン・スピルバーグ (新宿ピカデリー爆音映画祭)

映画館観賞は初。冒頭から、感謝溢れる臨場感。コミュ症のUFOが、もったいぶってじわじわ出るだけの話なのに、全シーンがセンスとワンダーで眼福。ギラギラのビジュアルと音響でヤラれる。映画を観てるというより、事件を目撃・体験してる感じだった。

巫女っちゃけん。』監督:グ・スーヨン (新宿武蔵野館)

やさぐれ巫女さんの周囲で巻き起こるオフビートなコメディ…と思いきや、神社に浮浪児が住み着いてたことが発覚(!)。不自然なくらい理不尽な世間に、一人の女の子が責められムカムカするつらいドラマになる。単純娯楽映画ではない。画に力があり広瀬アリスさんも良い。

この映画、アイドル女優推しのライトコスプレラブコメかと思いきや、痛快娯楽映画とは真逆。様々な問題が解決されるわけではない、人情ドラマでもない、一言ではうまいこと説明できないソフトストーリーだった。『湯を沸かすほどの熱い愛』からエンタメとお涙を引いたような感じというか、、、。うまく咀嚼できない。

『羊の木』監督:吉田大八 (池袋HUMAXシネマ)

元殺人犯6人の社会復帰を内密に受け入れた地方の港町で、何かが起こりそうな気配。6人の隠しきれぬ魅力的なヤバさに、周囲が刺激され不穏さ膨張。だが、予想の方向にも行かない。2時間が4時間にも感じる程のめり込んだ。サイコホラーサスペンスヒューマン青春映画?

f:id:tenguotoko:20211025080121j:plain

リバーズ・エッジ』監督:行定勲 (TOHOシネマズ上野)

原作に忠実でありつつ、生身の存在感や気持ち悪さの力は増幅。2018年の新作映画として見ると、90年代を舞台にした時代モノの青春映画という感じもあり、ベタなプログラムピクチャーが更新されたものを観たなという感触。閉塞した日常は、ある意味ホラー。

サニー/32』監督:白石和彌 (新宿バルト9 )

ネットで神格化されてた女の子が、狂ったピエール瀧&リリーフランキー拉致監禁。狂った奴らはさらに集まってきて、気狂いバトルロイヤルかつ、運命共同体のような変な感じになっていく。暴力/アイドル映画の混合コメディ。何度も様相が変わってく展開が面白い。

そういえば、『リバーズ・エッジ』→『サニー/32』と、続けて観た映画で、限界女子がカッターナイフで滅多刺しにするシンクロニシティがあった。

『悪女 AKUJO』監督:チョン・ビョンギル (角川シネマ新宿)

復讐の未亡人女殺し屋が、非情の任務。同時並行で、アパートのお隣さんとの許されぬ恋愛といったド直球メロドラマを繰り広げる(自分の結婚式中に狙撃任務をする!)。ドラマのダイレクトさに忘れかけた頃にハジける超アクション!『ハードコア(2015,露)』の影響を非常に感じました。

『(r)adius ラディウス』監督:カロリーヌ・ラブレシュ、スティーヴ・レオナール (ヒューマントラスト渋谷、未体験ゾーンの映画たち2018)

寂れた郊外、記憶喪失男の周囲で突然死。自分に近づいた生物が死ぬことが次第に分かってくる。SFスリラーな序盤の雰囲気が結構良いが、予想される範囲のジャンル映画展開にはならない、別種の映画。確かに未体験な感じはあり、静かな佳作なのかも。

『化け物と女』監督:池田暁 (有楽町スバル座 )

「若手映画作家育成プロジェクト」の上映の中で面白かった一本。タイトルとあらすじだけでホラーの可能性に賭けて観たんだけど、そうではなく、ロベール・ブレッソン風の不思議コメディという、ありそうで無い作品。小さな町に化け物が出るという噂が流れ、淡々と喋る人々が淡々と混乱。

f:id:tenguotoko:20211025081105j:plain

『イントゥ・ザ・ストーム』(2014年) 監督:スティーヴン・クォーレ (レンタル)

軽い気持ちで観たが、思いのほか良かった。POVを、ドキュメンタリーとしてではなく劇映画のリアリティを強化するために活用。目の前でド直球に信じられない竜巻災害が巻き起こっていく。これは娯楽災害映画の名作。爆音上映で大スクリーンで体験してみたい!

この月は『スリー・ビルボード』『パターソン』『デトロイト』『羊の木』と、人間ドラマの傑作がいくつもあった。『霊的ボリシェヴィキ』は、そんじょそこらのJホラーの遥か先を行き、完全に独自の価値観を作り出している感じ。『不能犯』の松坂桃李さんは行動がほとんど地獄少女なのだが、のちに白石晃司監督自身が映画『地獄少女』を担当したのは笑った。

【次回】

tenguotoko.hatenablog.com

 

2018年映画感想ツイートまとめ 1月分 12本くらい

前回 

2017年映画感想ツイートまとめ その8 (12月分 22本くらい) - 映画とかのおはなしブログ

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。

キングスマン ゴールデン・サークル』監督:マシュー・ヴォーン (TOHOシネマズ渋谷)

前作未見、スパイものくらいの知識だけで観賞。ダレる場面無くサクサク進行。ほぼコメディな、ふざけてる映画なのに、死亡者多数で残酷描写もあるバランスと、人間愛あるのか無いのか分からんさじ加減が斬新。気軽な娯楽映画として普通に面白かった。

レベッカ』(1940) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (シネマヴェーラ渋谷)

ホウレンソウの苦手な女子が金持ちに見初められ再婚相手に。だが、メイドらから前の奥さんの方が良かったとパワハラ。サスペンスという感じでもなく、上映時間2時間越えの中、連絡不足と、いじめと事件の濡れ衣状況とでムカムカしっぱなしという映画。

『海外特派員』(1940) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (シネマヴェーラ渋谷)

米国記者が、英国で特ダネ探すうちに暗殺事件。ミステリー系サスペンスの枠を超え、追跡、逃亡、意外な黒幕、国際的陰謀と、ほとんどスパイ映画。面白コメディだったはずなのに、どんどんシリアスになり、終わる頃には結構な大作を観たなという感触。

『早春【デジタルリマスター版】』(1970) 監督:イエジー・スコリモフスキ (恵比寿ガーデンシネマ)

15歳の綺麗な男の子が大人びた女の子に惚れて、頭わけわかめになっちゃう。好きになった結果の目茶苦茶な行動がノンストップ。あなたは、「推しに似た人の等身大パネルを抱えて地下鉄をウロつく美少年」を見たことがあるか!? これは超面白い!

f:id:tenguotoko:20211022220806j:plain

『決闘高田の馬場』(1937) 監督:マキノ正博 (神保町シアター)

強い呑んだくれ侍が活躍する1時間未満の中篇。「娯楽チャンバラ時代劇そのもの」という趣。王道の骨組は、後の時代劇だけにとどまらず、今のスーパー戦隊仮面ライダープリキュアに至るまで、この作品の遺伝子が繋がってるのではという感触。モードチェンジもしてたぞ。

わたしたちの家』監督:清原惟 (ユーロスペース)

娘と母の家族ドラマに、わずかに心霊の存在感? 一方、女の子ふたりの謎の多い共同生活は、あの世みたいな気配。同じ家を舞台に、別の二つのエピソードが並走していく、ネオ心霊映画。じわじわとワクワク来る素敵ショットがいっぱい。かなり好きな雰囲気の、いい映画!

f:id:tenguotoko:20211022221252j:plain

www.youtube.com

バーフバリ 王の凱旋』監督:S・S・ラージャマウリ (丸の内TOEI)

1作目の延長の娯楽バトル合戦にはなかなかならず、強く正しい王が自国血族のクソぶりと対峙。そして終盤にハジケる! 前作を予習してたのに、後半に現代パートに戻るまで、長過ぎる回想だと全く気づかなかった位のめり込んで観ていた…  上映時間2時間半だが、体感4時間半の神話!

バーフバリ様。『HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION』の雨宮兄弟と同じく、「鎖を自分に巻きつける」という手法で逆転していた。そのシンクロニシティ自体は超面白いとしても、前日に観た『決闘高田の馬場』で、既に背中に「たすきがけ」してパワーアップしてたので、「なんか巻く」ってのは映画世界では伝統的な手法なんだな。

『映画 中二病でも恋がしたい!Take On Me』監督:石原立也 (池袋シネマサンシャイン)

完全新作の続編。ウブすぎる高校生カップルが、かわいい駆け落ちをする。結構な距離を逃げるので、日常ラブコメの人物がロードムービーする(実質はキラキラデート)、という珍しいアニメ映画に。中二病ギャグの天丼も楽しく可愛いかった。

この作品では、本編開始前の諸注意パートで、いきなりフォトセッションが始まるのには驚いた。「携帯をオフにしてる人は今のうちに電源入れてね!」とお客さんに呼びかけてくる映画なんて初めて。

f:id:tenguotoko:20211022222407j:plain

クラッシャージョウ』(1983) 監督:安彦良和 (丸の内ピカデリー爆音映画祭)

安彦キャラと、80年代メカの大画面ゴリゴリが嬉しい、宇宙活劇まんが映画。リマスター画質でのクリアなセル作画がスクリーンに拡がるのは快感。ドッグファイトや宇宙戦闘は迫力あった。リアル路線ではあるのに、敵の感じだけ妙にまんがの悪者っぽすぎるのは、謎バランス。尺が長〜く感じた。

『バーミー』監督:田中隼 (新宿シネマカリテ)

幽霊が見えてしまう男が、生活に支障きたす。序盤は黒沢清『回路』や『降霊』の延長的な良いJホラー。惹きつけられる痺れるショットも多数。だがしかし、男が霊への態度を変えることにより、緊迫感を残しつつも映画の様子がおかしくなる。こんなヘンな映画にはなかなか出会えない。

www.youtube.com

ザ・リング/リバース』監督:F・ハビエル・グティエレス (TOHO新宿)

ハリウッド版リングの実質現代リメイク。Jホラー要素は少ない。『ファイナル・デスティネーション』や『アンフレンデッド』や、作品名を出すとネタバレになる2016年作品や、『貞子VS伽椰子』まで、近年のホラー映画のサンプリングを散りばめた量産型洋ホラー。そんなに怖くないので、ホラー苦手くらいの人がちょうど楽しめそう。

ゴジラの逆襲』(1955) 監督:小田基義 (TOHOシネマズ日劇、さよなら日劇ラストショウ)

映画館観賞は初。倒せないと分かっている二体の怪獣が上陸し対決する。美しい照明弾作戦のシーンから、二大怪獣が大阪を横断する前半は、天変地異が来たような独特の静寂と暴走の魅力がある。後半は、普通の日本映画のような雰囲気のまま、個人がゴジラと対峙する、という静かで不思議なバランス。

この月を振り返ると、 清原惟監督『わたしたちの家』、田中隼監督『バーミー』というふたつの新しい心霊映画が特異的。どちらも、Jホラーが進化発展したような別の地点にそれぞれ到達している作品。現時点では、上映の機会も少ない上にソフト化もされていないのがもったいない。

【次回】

tenguotoko.hatenablog.com

2017年映画感想ツイートまとめ その8 (12月分 22本くらい)

前回 2017年映画感想ツイートまとめ その7 (11月分 25本くらい) - 映画とかのおはなしブログ

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。

テラフォーマーズ 』(2016年) 監督:三池崇史 (レンタル)

ゴキブリ怪人が繁殖した火星で、戦力の足りてない改造人間部隊が頑張る。送り込まれた人間達の育ち悪そうな感じ/感情移入前にすぐ死ぬところ/小手先のどんでん返し/絶対勝てなそうな魅力的な敵/と、原作の個性が抽出されてる。ツッコミつつ応援上映したら楽しいのでは?

『ウィッチ』(2015年) 監督:ロバート・エガース (新文芸坐オールナイト)

事情があり、森に移り住んだ家族に不穏な事態。長女は可愛い過ぎるせいか毒母に疎まれていたが、その妬み感情は、さらに魔女疑惑に変わる。主演アニヤ・テイラー=ジョイの、可哀想なのにひょっとして何かあるかもオーラが良い。17世紀西洋的な『葛城事件』?。薄暗い中にいるうさぎさんとヤギが怖いぞ。

ディストピア パンドラの少女』(2016年) 監督:コーム・マッカーシー (新文芸坐オールナイト)

感染ゾンビで滅びかけの世界。ゾンビだが人の意思を持つ新人類少女と、ここまで生き残れたのが不思議なくらい迂闊な奴らがサバイバル。序盤のSFな筋書が良く、テーマはロメロゾンビ4作の延長で高尚。なのに、取り巻きの方々の行動が何度か致命的におバカで、変な気持ちになる。

彼女がその名を知らない鳥たち』監督:白石和彌 (新宿バルト9 )

過去に何かあり、夫婦関係が終わってるらしい女が不倫。皆クズであることが分かってからも、暴力ミステリー映画というよりも恋愛映画寄りという妙な雰囲気。ここで終わるかと思った何度かの場面で終わらず、脂っこく進む。ある老人が急に出るシーンの異質感。

過去に不倫してた超クズなハンサム役の竹野内豊さん。『シン・ゴジラ』の人と同一人物とは全く見えなかったのが凄い。

『クボ 二本の弦の秘密【字幕】』監督:トラヴィス・ナイト (新宿バルト9)

親を失った少年が、猿おばさん&謎のクワガタ戦士と旅をする。人形ストップモーションアニメの素晴らしさは、凄さの閾値を超えてるせいか、凄い事と分かっていても、CGアニメみたいだなあと思ってしまう。大人よりも普通に子供達に観てほしい、かなり王道の少年まんが映画(あえてこの言葉)

『ガールズ&パンツァー最終章 第1話』監督:水島努 (新宿バルト9)

中編OVAを劇場公開。人間パートがずっとふざけてるのだが、ノーテンキにノーテンキを重ねるヘンな展開のままドラマが進んでしまい、これが面白い。今回、この作品の世界観の中ではちょっと信じられんところから強引に仲間が増えるのは、カブトボーグ的な面白さもあった。

『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』監督:河合勇人 (レンタル)

福井県の廃部寸前チアダンス部が、掲題の活躍をしちゃうスポ根青春映画。田舎女子コメディも楽しい前半から、ストイックな高みへのドラマへ次第に移っていく。王道、かつ期待値を上回っていく名作! 山崎紘菜演じる、周囲から浮いてた娘が沁みる。

ビジランテ』監督:入江悠 (テアトル新宿 )

地方の有力者が亡くなる。次男と三男の元へ、30年失踪してた長男が土地の相続を手にし現れる。そこに、ショッピングモール建設の黒い計画と、外国人差別が混ざり、取り返しのつかない事態に。もがいても鬱屈が解決されることはない、苦しい映画。篠田麻里子さんが実質くノ一。

自分の観賞した回の終了後には、怖い怖いヤクザ役の皆さんだけが出てくる、変化球の舞台挨拶があり楽しかった。埼玉のヤクザ兄貴分役の般若さんは、自分の出てるシーンが全部犯罪しかしていないとツッこんでいた。

『ヘドローバ』監督:小林勇貴 (渋谷UPLINK)

健康カルト教祖婆さん&孫の超悪人兄弟に支配された地方のスラム団地とご近所が、信じられん混乱。リアル貧困な暴力犯罪コメディ映画が次々歯止めきかなくなり飛躍。マジ滅茶苦茶だが、支離滅裂ではない。映画を面白くする事のみに悪い力を注いだ、サラダボウルマシーン。

なんとなく、若手トップの岩切一空監督へ正面からケンカを売るような形で、『孤高の遠吠』と『全員死刑』の持ち味を活かしたまま、『ケンとカズ』/空賊/『牯嶺街少年殺人事件』/ホドロフスキー等、小林監督が好きな映画をぶち込んだ上に、ミートボールマシンでグチャ混ぜにしたような映画だったのではないか、という感触があった(妄想)。

f:id:tenguotoko:20211022003650j:plain

ゴッホ 最期の手紙【字幕】』監督:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン (TOHOシネマズ六本木)

ゴッホの絵がスクリーンの中で動くという驚異のアニメ。この作品の魅力はそこに尽きる。とりわけ、たまに挿入される風景画の中でのシーンは輝く目眩のような感じ。ドラマとしては、ゴッホの死の真相を探る男が関係者とお話をするワビサビミステリーで地味〜。

パーティで女の子に話しかけるには』監督:ニール・ゲイマン (ヒューマントラスト渋谷)

イギリスのパンク大好き男の子が、世界一かわいいヘンな女の子と、めぐりあい宇宙。題から想像される学園カーストものではなく、ある別ジャンルの映画。違う価値観なのに、会話が噛み合って進んでいくおかしさと純粋さ。楽しい幸福な映画!

f:id:tenguotoko:20211022003221j:plain

仮面ライダー平成ジェネレーションズFINALビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』監督:上堀内佳寿也 (T-JOY品川)

ビルド対エグゼイドを力技ながら、いつものライダー大戦基準よりも丁寧に構築。そこにオーズとフォーゼも、きちんと本編から地続きのその後の姿として助けに来る。毎年この感じだと幸せになる真っ当な夢の競演映画。

『花筐/HANAGATAMI』監督:大林宜彦 (有楽町スバル座)

戦争ムード進む日本。男3人女4人の生命ほとばしる友情、BL、百合、色々と、愛の闘いの青春。監督の近年作より、一見分かりやすそうな反戦もの。だが、今生きている全ての人へのメッセージは、そこにとどまらない。老人の晩年の後悔を、一瞬で追体験してしまう映画。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ【IMAX2D】』監督:ライアン・ジョンソン (T-JOY品川)

闇の軍団が結構バカなので勝てるかもと思った反乱軍だが、自分らはもっとポンコツだった!英雄たちの思いつきの雑な行動は、全て裏目に出て無駄死にの連鎖。おバカな面白展開と自己犠牲美化が食い合わせ悪い。前作で高潔さを感じたレイもかわいいだけになっちゃった。

2017年に映画館で観た他の映画300本以上の中で印象が一番近いのは『HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION』です。

『変態アニメーションナイト2017』(ユジク阿佐ヶ谷)

テーマだったり表現だったりが色んな意味で変態な、短編アニメオムニバス。上映作品の中では、子供の落書き世界が生きてるようなゴキゲンかわいいメルヘンドラッグアニメ『Wink Rabbit』が、今まで感じたことのない種類の面白さで圧倒的に好き。

f:id:tenguotoko:20211022001248j:plain

ノクターナル・アニマルズ』監督:トム・フォード (渋谷シネパレス)

20年前別れた夫が送ってきた小説を読んでみたら、エグい田舎ホラーリベンジものだったが、筆力はありグイグイ読んでしまい…。映画の半分を占める小説パートは絵空事なわけだが、つらすぎる心情にシンクロ。作品の力に、事実も創作も関係ないんだぜ、みたいな映画。

怪物はささやく』監督:J・A・バヨナ (飯田橋ギンレイホール)

片親で学校でもいじめられている孤独な男の子。『キングコング』を観た影響で妄想した怪物(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のグルート似)と対話を続けるが…。切ないイマジナリーフレンドものを何か観たいならこれ!と言える、想像したままの正統派の作品。同じくイマジナリーフレンド映画である『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』と併映希望。

『汚名』(1946年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (シネマヴェーラ渋谷)

惚れた男の依頼でスパイをやってみた美人が、ナチ残党のおじさんを堕とすべく頑張る。だがしかし、すぐイチャイチャしてしまい脇が甘い。ロマンスとサスペンスが同時進行する萌え映画。地味だが、何故かずっと観ていられる。敵味方どちらの最後も見せない終わり方がクール。

『三十九夜』(1935年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (シネマヴェーラ渋谷)

殺人犯にされた男が警察から逃げ続けるサスペンス。かつ、次々笑わせにくるコメディ。テンポが早く、どんどん違う場面に移る。後の様々な映画やTVや漫画などで引用されているような名シーンばかりで凄い。作品をどうこう語るというよりも、純粋に面白かったという感触。

『疑惑の影』(1943年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (シネマヴェーラ渋谷)

久々に家にやって来た実業家のハンサム叔父さんに喜ぶお嬢さんだが…。序盤はホームドラマのような雰囲気もありながら進む。次第に、叔父さんの異常さが見え隠れし不穏な展開に。サスペンスをひねっていったら、ホラーが芽生えつつあるような映画。

山羊座のもとに』(1949年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (シネマヴェーラ渋谷)

19世紀オーストラリア。前科者と卑しく見られてる夫と、令嬢だが心が弱ってアル中になってしまった奥さんと、そこに訪れたイイ男の三角関係。話の大半が展開する広いお屋敷内をカメラがぐいぐい〜と追いかけていく不思議な感触。その中で、たまにショックシーン!

勝手にふるえてろ』監督:大九明子 (新宿シネマカリテ)
中学の時の同級生に、10年間脳内片想いの内気な女の子が、もがくもがく。気分次第で世界が輝いてたり絶望したり。現代人の孤独と面倒くささ、そして出会い。始めから終わりまでずっと面白いという驚異の名作な恋愛コメディ映画。松岡茉優さんは優勝!

f:id:tenguotoko:20211022003411j:plain

この月は、小林勇貴監督『ヘドローバ』、大九明子監督『勝手にふるえてろ』などが傑作でした。シネマヴェーラヒッチコック特集もいい体験でした。
 
【次回】
 

2017年映画感想ツイートまとめ その7 (11月分 25本くらい)

前回 2017年映画感想ツイートまとめ その6 (10月分 21本くらい) - 映画とかのおはなしブログ

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。観た作品全部の感想を書いているわけではない。

ブレードランナー2049【IMAX3D】』監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ (109シネマズ木場)

ブレードランナーのよく出来た続編。人かロボか的テーマを進めた結果、ほぼ人間である孤独なロボがARギャルゲだけを心の拠り所にする。虚構の記憶(例えば、昔見た映画)でも、人はそれを支えにして生きていく、みたいなお話。

『エクリプス』(2017年) 監督:パコ・プラサ (シネマート新宿)

素敵な女子高生が、こっくりさんで恐ろしい目に。普通に見ると、恐怖シーン少なく怖さも弱く、ホラーとしてはマイルドすぎて違和感。どちらかというと、働きづめの片親の母の代わりに3人の妹弟の世話を頑張るお姉さんの心労を描いた、社会派っぽい映画なのかなと思う。

マイティ・ソー バトルロイヤル【IMAX3D】』監督:タイカ・ワイティティ (TOHOシネマズ新宿)

3作目にしてマーベルの何でもあり世界観を反映。スケールでかいのか内輪なのかわからんが、今までより面白いバトル宇宙コメディ映画に発展。体感上映時間は3時間以上で、長かった。ロキさんを粗雑に扱う天丼ギャグのバランス感。

愛のメモリー』(1976年)監督:ブライアン・デ・パルマ (新文芸坐で )

過去に犯罪被害で妻子を亡くした男の前に、奥さんそっくりの女性。画が非常に綺麗で感動恋愛ものになりそうなのに、男の目が終始イッていて普通じゃない。その為、スリラーでもミステリーでもない、ホラー寄りの独自サスペンス感がずっとあった。

それにしても、終盤正体が明らかになる悪者。企みがかなり上手くいって主人公を追いつめてるのに、急に自分から全部話したせいで、キレた主人公に逆転されるのはマジで笑った。こんな見事な「冥土の土産に教えてやろう」はキッズ向け作品以外ではじめて見た。

『IT イット“それ”が見えたら、終わり。』監督:アンディ・ムスキエティ (新宿バルト9)

少年らの前にとても怖いピエロが出まくる。洋モダンホラー&Jホラー演出の博覧会的な、怖がれるホラー映画でありつつ、子供達がクズな大人への恐怖心や世の中の理不尽さと対峙する感動的なジュブナイル映画でもある。米ホラーの新たなスタンダード。

客層が映画マニアではなく、大学生以下の興味本位で来てるような若者ばかりで、満席に近い埋まり方なので日本でも流行ってきていそう。ガチで怖がっている人がいっぱいいる中で観賞できたのがとても良かった。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(1984) 監督:石黒昇河森正治 (丸の内ピカデリー爆音映画祭)

何度も観てるが映画館観賞は初。精密メカが広がりBGM鳴り響く感謝。巨大スクリーンで、場面によってはバルキリーも巨人も1/1スケール! 超絶死人が出てるのに歌うのグダるシーンの異様さ! 今見るとブリタイに『メッセージ(2016)』感あり沁みる。予測以上に良かった!

それにしても、出てくるマスコミ。地球滅亡が判明し、人類が初めて遭遇した侵略異星人と休戦した会見にもかかわらず、芸能人スキャンダルを激写しちゃう。だけど、社会問題とかよりも文春砲的なスクープばかり騒いでいる現実がある今だと、変なリアリティがある。

『予兆 散歩する侵略者 劇場版』監督:黒沢清 (新宿ピカデリー)

散歩する侵略者』の番外編というか実質2作目。別ケースの侵略者の話。2作見ると、侵略者の行動も逆にガイドにする人間次第なことが分かる。今作では、ガイド人間の悪い感情を反映し、容赦無い侵略。怖さとも違う、ブラック度の強いブラックコメディ映画。

行われた初日舞台挨拶の中で「もし奪えるなら奪ってみたい概念は何ですか?」という司会者の質問。東出昌大さんは、監督から映画に対する熱い想いを。黒沢清監督は、俳優さんから演技という概念を奪ってみたい。みたいなことを言っていた。

『ハネムーン・キラーズ』(1970年) 監督:レナード・カッスル (新文芸坐シリアルキラーオールナイト)

凄腕の結婚詐欺師が、気性荒い巨漢の女と恋人になるが、そのまま一緒に詐欺稼業を続ける。この巨漢。結婚詐欺の途中でブチキレて次々と相手の女を殺しちゃう!(笑)。最高に迷惑極まりない激ヤバ異常カップルの珍道中だが、撮影が立派だからか下品で上品な独特のバランス!

『地獄愛』(2014年) 監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ (新文芸坐シリアルキラーオールナイト)

『ハネムーンキラーズ』と同じ殺人事件の映画化で、ベルギー版リメイクにも見える。今作の彼女は見た目は優しそうなのに、精神不安定ですぐキレる殺す。ヤバい行為の途中で急に歌ったり、焚き火の周りで超スピードで踊り狂ったりと、ヘンな場面が。同じ話だけど全然別の映画という感触。

『ありふれた事件』(1992年) 監督:レミー・ベルヴォー、アンドレ・ボンゼル、ブノワ・ポールヴールド (新文芸坐シリアルキラーオールナイト)

毎日毎日殺人強盗して暮らしてるヤバい男(!)を、取材して映画撮ろうとしてるクルー。男は前向きに協力してくれるが(笑)、取材を続けるうちに、撮影班の感覚も狂い、お互い影響与える共犯者になっていく。全編カメラ視点の先で、日々酷い事態。怖くて危険で面白い凄い映画。

f:id:tenguotoko:20211020222714j:plain

ハンガリー連続殺人鬼』(2016年) 監督:アールパード・ショプシッツ (新文芸坐シリアルキラーオールナイト)

過去に悲惨な事件あった田舎町で、また連続暴行殺人。検事が犯人追うが、裏に過去の杜撰な捜査が見え隠れ。ホラー映画ではなく、ヒッチコック私は告白する』、是枝裕和『三度目の殺人』等と近い感じの、志が高いが厭な気持ちになる社会派サスペンス司法刑事ドラマ。

リュミエール!』監督:ティエリー・フレモー (東京都写真美術館ホール)

映画を発明した兄弟の50秒映画108作を、解説つきで体験。適当な撮影ではなく、全作明白な演出意図がある。アクション/美しいショット/コメディ/巨大メカ/異国/戦争/格闘/蘇る死人/フェイク/3D/ねこ、などなど、あらゆる映画要素が既に見え隠れして興奮!

美女と野獣』(1991年) 監督:ゲーリー・トゥルースデイル、カーク・ワイズ (DVD)

初めてちゃんと観てみた。貸本屋の本を全部読んでいる、今で言う超オタク少女が、クソ社会を脱出して、萌えキャラ(ケモノ王子&喋るかわいい家具)しかいない城で、幸せになる話! 町には脳筋鬼畜サイコパス男がいっぱいいて、不法侵入・監禁・暴行・私刑も日常茶飯事の疑いがあり、実質田舎ホラーとして観ることができる。

冒頭、主人公ベルに陽気に挨拶する町人の中にいる、私刑されてるらしき男?の存在が怖い。

f:id:tenguotoko:20211020223809j:plain

邪魔者に精神病のレッテルを付けて監禁する医者が、いつもやってるようで怖い。

f:id:tenguotoko:20211020233427j:plain

「殺せ!」と叫んで突撃する男達がほぼ彼岸島

f:id:tenguotoko:20211020223713j:plain

f:id:tenguotoko:20211020223722j:plain

父の作った謎の薪割りマシンが醸し出す、『マングラー』的殺人機械感。

f:id:tenguotoko:20211020223906j:plain

f:id:tenguotoko:20211020223936j:plain

GODZILLA 怪獣惑星』監督:静野孔文瀬下寛之 (ヒューマントラストシネマ渋谷)

宇宙に逃げた地球人&宇宙人同盟が、戻ろうとする1万年後の地球は怪獣の惑星だった!第一部に過ぎないせいか、怪獣はそんなに出ず、ボストエヴァゼロ年代ロボットアニメくらいの感触。全編説明台詞。準備不足のオモシロぽんこつ軍隊の自滅が描かれる。

この作品に登場するスーパー未来軍隊。空をビュンビュン飛べるスゴイスーパー未来バイクを持ってる。でも、ゴジラと戦うことが分かってるくせに、武装を正面にしか撃てず、射程が短いせいで、当然ゴジラに突撃する感じで近接戦闘になり返り討ちに…

この既視感のあるポンコツさ。たいして調査をしないまま未知の星をウロウロしてエライ目に合うという『エイリアン: コヴェナント』と同じ奴だな、、、

せっかく実写より自由なアニメで、1万年後で、宇宙SFというなんでもあり設定なんだから、今までの東宝怪獣宇宙人が全部出てきて欲しかった。少なくとも『キングコング 髑髏島の巨神』の倍くらいの種類の怪獣は出てきて欲しかった。せめてラスト2分で何の脈絡もなく大ダコ先輩は出てほしい。

全員死刑』監督:小林勇貴 (ヒューマントラスト渋谷)

育ちが非常によくない四人家族が、知り合いの金持ちを殺して財産奪おうとする。父母兄全員クズで狂人。家族内ですら同調圧力と責任転嫁で、殺し等の汚れ仕事は真面目な弟に押しつける。常識外れに利己的に悪すぎて、もはやコメディ。という危険で楽しい娯楽映画。

『復讐 運命の訪問者』(1997年) 監督:黒沢清 (新文芸坐 黒沢清オールナイト)

最初は刑事ドラマ&ヤクザVシネ風。だが、黒沢清世界の警察はやはり何もできず、その話を逸脱し、殺し屋一家とそれを追う復讐鬼 哀川翔というノワール映画に。六平直政の、俗物でずうずうしいおじさん殺し屋というサイコパスぶりが、ゼロ年代暴力邦画を先取りしていて恐ろしい。

ちなみに、『全員死刑』→ 黒沢清オールナイト と、はしごした結果、サイコパス六平直政を2作連続で観るというシンクロニシティが起きてしまった。

『復讐 消えない傷痕』(1997年) 監督:黒沢清 (新文芸坐 黒沢清オールナイト)

復讐の2でもあるが、後の蛇の道に繋がるような奇妙な雰囲気で、単独映画として成立。冒頭から静かな銃声でパンパン撃ちまくり、事あるごとにすぐ撃つのが楽しい。汚れたオープンカーで街中をウロウロし続けてお喋りするシーンなど、変な気持ちになる面白いシーン沢山。

f:id:tenguotoko:20211020230139j:plain

 

『回路』(2001年) 監督:黒沢清 (新文芸坐 黒沢清オールナイト)

何度目かの観賞。スクリーンで観ると、PC画面等の怖い境界が自分と直接繋がってしまっている感がある。『復讐』2作と続けて観ると、哀川翔のちょい出演シーンが続きのように感じられ、復讐の後で行き場を無くした男が、家族や妻の霊と会うために?、無意識にあの世の扉を開けてしまったようにも見えた。

 
機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER』監督:松尾衡 (TOHOシネマズ上野)
ア・バオア・クーで活躍するサイコミュ試験型ザク。一年戦争終戦後のドップ隊VSコアファイター隊。大活躍するつよいアッガイ(主役)。アニメで動くザニー。 と、宇宙世紀で見てみたかった場面をひたすら展開してくれるありがたいロボットアクション映画。
 
『ジグソウ ソウ・レガシー』監督:マイケル・スピエリッグピーター・スピエリッグ (池袋シネマロサ)
1作目だけ観てる状態で観賞。過去に悪いことしたのが見え見えの人らが、殺人脱出ゲーム。同時進行で事件捜査側も描き、そこは刑事ドラマ感。殺人罰ゲーム(手作りの温もりある)は残酷で、目を覆う程痛そうなのに、水戸黄門みたいな勧善懲悪モノ観たような気持ちになる。
 
『HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION』監督:久保茂昭、中茎強 (渋谷TOEI)
最強不良連合が、広域指定暴力団に追い詰められる。第1部の終りだからか皆妙にメソメソしている。爆破シーンなど、無名街屋外シーンの多くで急に映画的パワーが上昇。雨宮兄弟、が手足に鎖を巻いただけで仮面ライダーの初モードチェンジ並に強くなるのが非常に楽しかった。
そもそも『HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION』の何が凄いかって、2の公開が今年の8月だったのに11月にもう3やってるんだよ。昭和のプログラムピクチャーの頃にしかありえなかったような短い間隔。今年(2017年)を代表する傑作『ローガン』のオマージュをもうやってるというスピード感!

f:id:tenguotoko:20211020231217j:plain

f:id:tenguotoko:20211020231226j:plain

しかし、『HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION(ハイロー3)』で何が辛かったって、応援できないことに尽きる。キンプリみたいに、上映回の多くを応援上映にした方が絶対いいと思う。

マクロスプラス MOVIE EDITION』(1995年) 総監督:河森正治、監督:渡辺信一郎 (TOHOシネマズ上野)
映画館観賞は初。スクリーンと音響の効果抜群。シャロンに直接洗脳されてる感じと、メカアニメ最高峰ドッグファイトの臨場感が本領発揮。お話が分かっていると、初めから負けてるガルドの可哀想さマシマシ。隣の席の女の子も、その散り様で号泣していたぞ。
 
前作『リアリティのダンス』の続きで、監督自身の青春時代編。アクの強い歪んだ真っ直ぐな人ばかり出てくるが、カルト的映画ではなく、巨匠が全力で撮った真っ当な映画芸術という感じ。『フェリーニのアマルコルド(73)』と同じような感触。
 
夏のTVSPが、遅れて公開された位の趣き。実家のパン屋さんでの挿話で、食べるまで中身の分からないハテナパンの劇中で示唆された中身が、①林檎丸ごと ②当たり券(紙) ③パンの中にパン、だけだった事がいい話のように流れたのが、地味に狂ってた。
 
ジャスティス・リーグ【IMAX3D】』監督:ザック・スナイダー (T-JOY品川)
個別ヒーローが集まり、強敵と戦うだけに絞った潔い娯楽映画。大半がヒーローらの関係性のイチャイチャで、間に凄いバトル。バットマンが大した戦力にならないなど、バランスがいい。変わらずのワンダーウーマンさんと愉快なフラッシュが魅力的だった。
この月を振り返ると、『ありふれた事件』のPOVバイオレンス映画としての凄さが記憶に残っている。
何度も観ている『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』と『マクロスプラス MOVIE EDITION』を映画館のスクリーンと大音響で観たらそれまでより面白かったのも価値観を更新させられた。
 
【次回】

 

2017年映画感想ツイートまとめ その6 (10月分 21本くらい)

前回   2017年映画感想ツイートまとめ その5 (9月分27本くらい) - 映画とかのおはなしブログ

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。観た作品全部の感想を書いているわけではない。()は観賞した映画館orメディア。

極道大戦争』(2015年) 監督:三池崇史 (TV録画)

ゾンビヤクザコメディだと思ってたが、予告もポスターもミスリード。人情ヤクザ映画的な世界観が、西部劇/カンフー/アキバ系/着ぐるみ特撮といった、他の娯楽要素の襲来で無茶苦茶になっていく。という現代娯楽映画の状況を描く異常な作品。カエルがメイン。

『わが青春のアルカディア』(1982年) 監督:勝間田具治 (目黒シネマ)

初見。キャプテンハーロックのエピソードゼロという趣。第二次大戦中に活躍したご先祖さまの話が結構長尺あり、自分は今何を観てるのかと不思議な気持ち。ハーロックという男の持つ、謎の浪漫的説得力で話がとにかく進んでいく。スクリーンで観る終盤の宇宙戦はかなり迫力あった。

『見知らぬ乗客』(1951年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (新文芸坐)

移動中の有名テニス選手に話しかけてきた男は異常者だった! そこはかとなく弱みを嗅ぎ取り、ずけずけと日常に進入してくる男のヤバさが怖面白い。ジョジョで新手のスタンド使いがいつの間にか出てくる感じは、こういう所から影響受けてるのかな。

私は告白する』(1953年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック (新文芸坐)

神父が懺悔室で殺人を告白される。罠にハメられ、容疑者にされてしまうが敬虔過ぎる人なので言わない。超人的に戒律を守る神父という存在から、杜撰な警察捜査や裁判制度の問題点と、スキャンダル精神で物事を捻じ曲げる世間が見える、当時の社会派映画な感じ。

インランド・エンパイア』(2006年) 監督:デヴィッド・リンチ (角川シネマ新宿)

女優さんが映画のいい役に選ばれたらしいが、過去のトラウマを思い出したりしてるうちに…? 現実と記憶と役が混ざり、よく分からない…。のが3時間も!続くが、体感時間は2時間20分くらい。「映画怖い顔選手権」をやったらトップ級の奴が出て怖い。

『ソウル・ステーション パンデミック(字幕)』監督:ヨン・サンホ (新宿ピカデリー)

「新感染」の1作目である長編アニメ映画。アクションエンタメ度も強かった新感染と比べると、王道のゾンビ発端モノ。韓国暴力映画のエッセンスがあり、ホームレスやネカフェ難民等、多くの貧困者が困窮してる韓国の暗い社会がシビアに描かれている。

マングラー』(1995年) 監督:トビー・フーパー (新文芸坐

大きなクリーニング工場で、人がプレス機に巻き込まれる大事故が相次ぎ、刑事が捜査。従業員を奴隷のように働かせ、事故も賄賂で揉み消す超ブラック企業と、それを許す社会を風刺したモンスター映画。プレス機(と冷蔵庫さん)の存在感が異様。

黒沢清監督は、『DOORⅢ』から『クリーピー』まで頻繁に『悪魔のいけにえ』リスペクトをしているけど、『ニンゲン合格(99)』(ホラーじゃない)で崩れてくるアレは、もしやマングラーへのリスペクトだったのか。

アウトレイジ 最終章』 監督:北野武 (T-JOY品川)

めちゃ悪〜い顔面達が繰り広げる、脅し・欺き・マウンティングなコミュニケーションの応酬。それの最上位のものとして、本当に権力の頂点になると、本人が指示せずとも周囲が忖度して行動する様も描く。期待通りのものを見せてくれる、人間関係エンタメ映画。

ブレードランナー ファイナル・カット』監督:リドリー・スコット (丸の内ピカデリー爆音映画祭】)

劇場観賞初。昔DVDで観た際は何とも思わない作品だった。しかし大スクリーン爆音で観ると、美しい未来都市の中に自分も飛び込んでるような素晴らしい臨場感。終盤は、物語の停滞と共に心の話になるが、割とタルコフスキー的な印象。

それと、今の視点で『ブレードランナー』を観直すと、「人類は新たな植民星を求めて広く宇宙に進出しているが、レプリカントが結構宇宙船を奪ったりしている」みたいな話題が劇中に普通にあって、エイリアンシリーズと普通に地続きのユニバースを隠しているつもりもないということが明白に分かる。

TVアニメ『リーンの翼』(2005-2006年) 監督:富野由悠季 (Amazonプライム)

10年ぶり再見。第5話。エイサップとサコミズが太平戦争にタイムスリップし、東京大空襲/あの日の広島/沖縄戦 を目撃するが、触れることはできないという展開。今観ると、風立ちぬ/この世界の片隅に/ハクソーリッジ等を僅か数分間で先行横断してる感じもある。

あさひなぐ』 監督:英勉 (T-JOY品川)

ダメダメだった女の子が薙刀部で青春友情。原作は真面目なスポーツ漫画だが、こちらはスポ根アイドル映画で異なる味わい。主要人物各々に魅力あるのに見せ場が足りないのと、終盤が練習試合なのは残念。コメディパートが結構面白く、顧問役 中村倫也さんのおどけ芝居が牽引してた。

アナベル 死霊人形の誕生』 監督:デヴィッド・F・サンドバーグ (新宿ピカデリー)

孤児らが来た家にお化けが出る。「いないいない…いない」連発で焦らしつつ、不意に正面ストレートの怖がらせが出る。ホラージャンキーとしては物足りぬ怖さだが、埋まった客席の反応は上々。普段ホラーを見ない人にこそオススメな、正統派ホラープログラムピクチャー。

これは何度でも書くことだが、アナベルの正体は悪魔らしいので、エクソシスト感ある攻撃もあるのは分からなくもないが、ホラー映画の中でお化けや幽霊がサイコキネシス攻撃をした途端にリアリティラインがライトノベル位になってしまい、恐怖が薄まるということだけは世界中のホラー映画製作者さんに分かってもらいたい。

2001年宇宙の旅』(1968年) 監督:スタンリー・キューブリック (丸の内ピカデリー爆音映画祭)

映画館観賞は初。展開は知ってるが、各シーンはあまり覚えてない状態で観賞。大音響でタイトルが出る時点で既に謎のありがたみ。爆音で流れるクラシックは、聖堂で洗脳音楽聴いてる感じ。ノイズ音はヒリヒリ。HALが怪しくなるあたりの中盤はほぼサスペンス映画だった。終盤は感謝感謝。

フルメタル・ジャケット(1987年) 監督:スタンリー・キューブリック (丸の内ピカデリー爆音映画祭】)

映画館観賞は初。前半は、口が悪いが頼もしく優しく優秀な教官ハートマン軍曹のオンステージ。怒号がとぶ爆音でとっても面白かった。後半の戦争パートは、その後の作品にオマージュされまくり&この後の戦争映画の描写がインフレしていったからだろうが、前線に着いてからがかなり淡白な印象。

クレールの膝』(1970年) 監督:エリック・ロメール (恵比寿ガーデンシネマ)

タイトル通り、クレールとその膝がめちゃ綺麗なので、おじさんが若い女の子に声かける話に思えるが、それはミスリード。結婚間際(と自称してる)遊び人(ぽく振舞う)男が、元恋人?に会いたくて、わざわざ来た話と考えると、見える景色が全然違う…

『鉱 ARAGANE』監督:小田香 (新宿K`sシネマ)

爆音上映がデフォの作品。外国の炭鉱の作業現場に潜り込んでいく体験型ドキュメンタリー。映るのは静寂すら感じる淡々とした作業だが、金属がぶつかり機械が唸る過酷な轟音騒音が鳴り止まない。68分という短い尺だが、それ以上の体験は無理と思える疲労感。未体験の映画体験となった。

f:id:tenguotoko:20211019212604j:plain

『劇場版 Fate/stay night HF I. presage flower【極爆】』監督:須藤友徳 (立川シネマシティ)

今までのアニメ版Fateを観ただけの状態で、ゲーム未プレイで観賞。日常を丁寧に描きつつ、同じ感じに展開かと思いきや、雲行き変わる。ランサーの戦闘場面で、伝奇系アニメとしては夢に描くようなアクションが出る。

サスペリア PART2【全編上映&シンクロライヴ】』(1975年) 監督:ダリオ・アルジェント (川崎クラブチッタ)

映画館での観賞自体が初。昔ビデオで観たきりで、例の廊下のシーンと怖い人形以外覚えておらず、新鮮。今観ると、ホラーというよりも、怖い雰囲気かつ何か引っかかりの残るミステリー映画。生演奏によるショックシーンは尋常じゃない盛り上がりだった。

『NIGHT SAFARI』(2014年) 監督:小林勇貴 (渋谷UPLINK)

電話一本で安易に始まる不良達のリンチ。やられた側もすぐ仕返し。煽った後続車なんか当たり前に暴行する悪い日常の中で続く、汚い喧嘩合戦。「暴力大好きだが敵と味方の区別もつかないヤバい奴」など、キャラの立った不良達が面白い。

ちなみに、今回小林勇貴監督特襲では、上映に一回参加毎に、「ヤンキー総選挙」の投票権と「監督にクソリプみたいな感想を伝える権利」をもらえた。おもしろい。

f:id:tenguotoko:20211019213458j:plain

ゲット・アウト』監督:ジョーダン・ピール (TOHOシネマズ新宿)

黒人彼氏が白人彼女の実家にドキドキ挨拶。両親の暖かい出迎え。だがこの実家、何かがおかしい?  徐々に徐々に増していく違和感と、息が止まりそうな緊張がヤバい、人種差別ホラーの名作。ネタ知らずの方が絶対楽しめるので皆ネット切って今すぐ観賞!

『Super Tandem』(2014年) 監督:小林勇貴 (渋谷UPLINK)

会社を辞め富士宮で自警団活動する男&親友の重度失調症ベイビードライバー。「万引き犯から奪った、オヤマ!菊之助(エロ漫画)の単行本を、絵の具で塗ってカラー海賊版として路上で転売(それも金目当て)」という、世界犯罪映画史上最も低い犯罪が出る!

この月は、丸の内ピカデリーの爆音上映会で観賞したブレードランナー』『2001年宇宙の旅』と、新宿K`sシネマ『鉱 ARAGANE』が特に印象に残っている。爆音上映は素晴らしいです。

【次回】 

tenguotoko.hatenablog.com

2017年映画感想ツイートまとめ その5 (9月分27本くらい)

前回 2017年映画感想ツイートまとめ その4(7月8月分 47本くらい) - 映画とかのおはなしブログ

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。観た作品全部の感想を書いているわけではない。()は観賞した映画館orメディア。新文芸坐で大林宜彦特集上映という神イベントがあったので、月の半分くらい池袋に通ってたイメージ。新作も年間ベスト5クラスに面白い作品が何本もあって大変!

異人たちとの夏』(1988年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林宜彦映画祭)

子供の頃亡くなった両親の幽霊との交流。だけなら夢か幻かだが、それとは別のガチな王道怪談が同時進行していたことが分かり、感動も恐怖も強化される複雑な感情の映画。浅草が幻想的。自宅マンションの外観が三途の川みたいな謎の威圧感。

『可愛い悪魔』(1982年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林彦映画祭)

TV番組だが、スクリーンで観ると完全に映画。火サスなので、筋書は児童サイコキラーのサスペンスドラマだが、過剰な描写と、いかがわしい人物により、白黒の洋古典ホラーと70年代イタリアホラーが日本の田舎で同居してるような異常なカルトホラー映画に!

青春デンデケデケデケ』(1992年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林彦映画祭)

以前DVDで観た際は普通だったのだが、劇場で観ると映画の魔法かかり大化け!ラジオから流れるベンチャーズで目覚めた瞬間からの、楽しく誇り高い青春の記憶そのものを走馬灯のように体験!自分の魂が頭を離れ映画の中にいた瞬間が確かにあった!

『はるか、ノスタルジィ』(1993年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林宜彦映画祭)

石田ひかりさんにガチ恋した監督がストッパー外す私小説。母/娘/その娘の三世代全てを演じる、世界一可愛く撮られた19才の石田ひかりと、中年作家との無限の一方的恋愛を作品に閉じ込めてしまっている。激ヤバな真のアイドル映画。

『恋人よ われに帰れ LOVER COMEBACK TO ME』(1983年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林宜彦映画祭)

大林監督の貴重なTVドラマ。日系人の米兵が終戦直後の広島で姉を探す中、原爆被害や闇市の混沌を目にする。戦後を直接描いた真っ当なメロドラマ。今観ると「この世界の片隅に」から地続きにしか見えない!

『麗猫伝説』(1983年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林宜彦映画祭)

瀬戸内の孤島で引退したスター女優と、映画監督の妄念。火サスだがサスペンス作品ではなく、怪奇モノにも見えるがホラーでもなく、映画の呪いみたいな映画。劇場での観賞は初だが、「恋人よ われに帰れ」から続けて観ると、続編に見える作りだったとは!

『理由』(2004年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林宜彦映画祭)

高層マンションで殺人事件。目撃者の証言から事件を追っていくうちに、証言は紐づる式に日本中の107人分にも及んでしまう。DVDで観た時は、過剰な情報量で集中が続かずよく分からなかったが、映画館で観ると印象違う。日本社会の歪みと、人の絆の希望も描く傑作!

新感染 ファイナル・エクスプレス(字幕)』 韓国 監督:ヨン・サンホ (新宿ピカデリー)

父と娘が乗った特急がゾンビパニック。設定はオーソドックスなのに鉄道を活かした面白い状況。行動力ある濃ゆい人物達。利己的でなく利他的であれ!というメッセージを終始貫く胸熱なドラマ。これはゾンビ映画史に記録される快作!

ねらわれた学園』(1981年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林宜彦映画祭)

映画館観賞は初。漫画みたいな学園生活(誉め言葉)が、漫画みたいな悪役(誉め言葉)に狙われるお話を実写でやるという、先駆者過ぎるラノベ映画。新宿高層ビル群と星(奇跡)のイメージは35年後「君の名は。」にまで伝わってるなという感触。

ちなみに、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の後に続けて観たのだが、伝えたいメッセージが「自分の為ではなく他人の為に行動しなさい」という全く同じメッセージだった。

トリガール!』監督:英勉 (池袋シネマ・ロサ)

イケメン先輩に釣られて鳥人間コンテストに捧げる青春。典型的な部活映画やスイーツ恋愛映画へ行きそうな軌道を、すぐさまずらしていくユーモア。他で味わったことがない位さわやかな快活さで楽し~いスポコン青春コメディ映画。主演の土屋太鳳さんは優勝!面白い!

散歩する侵略者』監督:黒沢清 (渋谷シネパレス)

夫の様子がおかしくなった妻。ヘンな若者と同行するライター。本当におそろしい侵略を描いた正統SFだが、概念を共有せぬ異者とのやり取りは無性に楽しく、ラブストーリーとしても震える。黒沢清映画と大衆向けエンタメ大作映画の両立ついに!の名作!

『女ざかり』(1994年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林宜彦映画祭)

全国紙論説委員になった聡明な女性が書いた社説の影響で、新聞社によく分からん圧力が…。大人恋愛映画は表の顔。雑談から政治まで、忖度で物事が動いていく様が緊迫超絶テンポで描かれる、のに、ほぼコメディ(!)。今こそ理解可能、深刻なジャーナリズム映画の傑作。

『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY【応援上映】』監督:久保茂昭、中茎強 (新宿ピカデリー)

シリーズの劇場観賞自体初。既に10勢力くらいいるのに、更に続々参戦する新勢力。&急に出る新キャラを含む大量登場人物達への「だれ〜?」等のツッコミをみんなが叫ぶのが面白おかしい。アクション凄く唖然!

次々場面が切り替わる味方勢力と敵勢力。情報量多くテンポ速いがあさってに進むお話。強引なナレーション。大量の愛すべきキャラ。伏線なく急に参戦する新キャラ。急にいる仲間。抜けたとこあるが皆の信頼絶大のリーダー。HiGH&LOWの面白さは、トランスフォーマーTV1作目の面白さに通じる説。

f:id:tenguotoko:20211018143941j:plain

f:id:tenguotoko:20211018143956j:plain

『野ゆき山ゆき海べゆき<カラー版>』(1986年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林宜彦映画祭)

戦前の日本。他の子供より少し賢いお坊ちゃんが、町の日常を見つめる。子供のケンカが次第に暴力にエスカレートしていくが、背景の日本も本当にいつの間にか戦争に突入している。それでも、その空気に対してわんぱくに抗う意志は残すぞ、みたいな映画。

『エル ELLE』監督: ポール・バーホーベン (TOHOシネマズシャンテ)

ある女性の、これ以上無いと思える程あらゆる辛い出来事が底抜けに続く日常。宣伝されているような女性リベンジ映画でもミステリーでもない。辛い人へ希望の糸を投げる映画。

ダンケルクIMAX 2D】』 監督:クリストファー・ノーラン (T-JOY品川)

イギリス軍が海峡を越えて撤退しようとする。浜辺の兵士/船で救出に行く民間人/戦闘機パイロット の3つの立場で進行。砂浜から遠くの先まで見える、静かな広さの表現が魅力的。英国人には高貴な勇気が皆に備わってるのでございます、的な感じ。

蛇の道』(1998年) 監督:黒沢清 (新文芸坐)

娘を無残に殺された香川照之の復讐に協力する哀川翔。ヤクザVシネを装いながら、実際はバイオレンスサイコサスペンスという驚くべき映画。香川さんのヤバイ人お芝居が既に凄かった!

蜘蛛の瞳(1998年) 監督:黒沢清 (新文芸坐)

劇場観賞は初。蛇の道の2だが、別のジャンルになっている。久々に会った友人の仕事を手伝うことにした男が、続けるうちにいつの間にか組の奇妙な抗争に巻き込まれる。終末系SFかのような絵面の中で、ドライで変な殺しが続き神経ヒリヒリ。実態はなんと「心霊ヤクザ映画」!

ワンダーウーマン[IMAX3D・字幕]』監督:パティ・ジェンキンス (109シネマズ木場)

ガル・ガドットさん演じるダイアナはメチャ魅力的だし、コテコテのスーパーヒーローが戦争の最前線で戦うという絵面は興奮。だけど、展開が全体的に雑!島編の前半と戦争にざっくりと参加する後半で別の作品のようなツギハギ感がある。

ワンダーウーマンの一族の島は、霧で見えないだけで誰でも普通に入れそうな感じ。戦場で無敵の強さだったけど、普通に強いので島での犠牲者が無駄死にに思える。ラスボスは存在してるのかいないのか分からず、その要素は良かったのに、自分から正体と目的と隠れ設定をバラしに来て返り討ちに合うポンコツ

エイリアン:コヴェナント【MX4D字幕】』監督:リドリー・スコット (TOHOシネマズ六本木)

途中までプロメテウスの繰り返しに見えるが、ちゃんとしたホラーSF映画になる。だがどう良いか説明するだけでネタバレになる!MX4Dには非常にマッチしていて大正解。宇宙船のライド感!地下のヘンな匂い!吹き出る流血!

『三度目の殺人』監督:是枝裕和 (TOHOシネマズスカラ座)

何の変哲もない殺人容疑者の担当になった弁護士。だが容疑者は煙に巻く供述。こいつはサイコキラーか?司法の被害者なのか?自己犠牲の聖人か?分からない。役所広司さんの最強の力がいきなり全開放。スリリングで誠実で強い司法サスペンス映画の傑作。

観る人の願望によって見え方が違うであろう「器」のような作品なのですが、私にはこの前観直したばかりの黒沢清『CURE(97)』の続編のようにも見えました。

『ダーク・ハーフ』(1993年) 監督:ジョージ・A・ロメロ (新文芸坐)

俗悪娯楽小説を架空の作家ジョージとして執筆していた男の周辺で猟奇殺人。雀の大群飛び狂うオカルト映画から、スラッシャーや警察無能系ミステリーにも揺れつつ、自己と対決する映画。恐怖映画ではないホラー。

『モンキー・シャイン』(1988年) 監督:ジョージ・A・ロメロ (新文芸坐)

事故で半身不随の男。助けになればと、友人の科学者が連れてきた、人間並の知能を持つ改造猿。良いヘルパーペットになるが共感力も高く、男の憎悪をも感じて実行!本物の猿の存在感。動物ホラーのようでいて、本質は家族が殺し合う厭な映画か。

プラネタリウム』監督:レベッカ・ズロトブスキ (新宿バルト9)

少女霊媒師&マネージャーという美人すぎる姉妹ユニットに注目した映画プロデューサーが、彼女ら主演に映画を撮影。話の行方が分からぬ中、水面下で酷い邪悪が起きてるかのような不安な疑惑心を生じさせる。この感情自体が心霊的のような、高度な心霊サスペンス映画。

f:id:tenguotoko:20211018142631j:plain

『軽蔑(デジタルリマスター版)』(1963年) 監督:ジャン=リュック・ゴダール (恵比寿ガーデンシネマ)

劇場観賞は初。超ド級美人の妻のいる夫が、妻とのあらゆる会話と行動において、ギャルゲーで言うところの好感度の下がる選択肢を、天才的に笑えるほどに選び続ける。萌えハーレムラノベ的なものの真逆を行くようなコメディ。

f:id:tenguotoko:20211018142338j:plain

『幽幻道士 キョンシーズ【応援上映】』(1986年) 監督:趙中興(チャオ・ツォンシン)(新文芸坐)

初見。モンスター中華オカルトカンフーアクションで、スクリューボールコメディという、今では存在しないような娯楽映画。話運びは普通に良く出来ていて、不謹慎さも具合よく、ずう〜っとふざけている。冒頭から最後まで永遠に面白かった!

少年ケニヤ』(1984年) 監督:大林宜彦 (新文芸坐 大林AN)

大林監督唯一の、子供向け長編アニメ映画。絵柄がポスターカラー風/白黒のペン画挿絵風/TVまんが絵/動く水彩画/等に次々変化。スクリーンで初めて分かる美しさと迫力。素朴に始まるのだが、リアリティラインを跳躍して認知が歪む瞬間が数回あった。危険なカルト映画。

--------

この月を振り返ると、新作も旧作も傑作ばかりだったという印象。新文芸坐の大林宜彦特集では、大林作品はTVモニターではなく劇場のスクリーンで観ると面白さが段違いになることが体感できました。大林監督ご本人をお見かけしたのも素晴しい出来事でした。

【次回】 2017年映画感想ツイートまとめ その6 (10月分 21本くらい) - 映画とかのおはなしブログ