映画とかのおはなしブログ

映画、漫画、本、などの感想とかのやつ。  ツイッター@tenguotoko

2016年映画感想tweetまとめ前編(上半期およそ50本)&上半期ベスト

前回 2015年映画感想tweetまとめ&ベスト15 - 映画とかのおはなしブログ

2016年上半期当時の映画感想ツイートまとめ前編(50本分くらい)

f:id:tenguotoko:20180624024336j:plain

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。観た作品全部の感想を書いているわけではない。()は観賞した映画館orメディア。

『孤高の遠吠』日本 監督:小林勇貴  (渋谷アップリンク)

富士宮が舞台の不良映画。メディアによくあるヤンキー少年漫画的なものとは全く異なる、リアリティを感じる理不尽で本当に悪い不良を描いている。ユーモアもたっぷりで楽しい映画なのに、マジで怖かった。

クリムゾン・ピークアメリカ 監督:ギレルモ・デル・トロ (TOHOシネマズ新宿)

幽霊屋敷モノかな?くらいのぼんやり認識で観たけど、ホラー感/古畑的サスペンス感/西洋ロマンス感 のバランスがヘンな、変わってる映画。

ボクソール★ライドショー恐怖の廃校脱出!4DX2D』日本 監督:白石晃士 (ユナイテッドシネマ豊洲)

4DX効果ありきで撮っている未体験なホラー映画アトラクション。開始1分でヤバい状況になるスピード感が良かった。監督作品ファンなら分かるサービスも濃縮。

傷物語〈I鉄血篇〉』 日本 総監督:新房昭之 、監督:尾石達也 (TOHOシネマズ新宿)

物語シリーズ独特の美術と空間が大スクリーンに広がって、世界に入り込んでいるかのように楽しめた。唯一、上映時間が1時間しかないことだけが残念。

『イット・フォローズ』 アメリカ 監督:デビッド・ロバート・ミッチェル (TOHOシネマズ新宿)

ホラー映画の歴史に残りそうな感じの名作。新しいタイプの呪い系幽霊の描写が怖くてかなり良かった。

ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』日本 監督:鹿島健城 (MOVIX亀有)

台湾って小さな島くらいの認識だったけどかなり広い。台湾が舞台でもいつもと同じことやっている。スクリーン大画面で観る台湾の普通の町並みと、三船美佳さんのいい女っぽさが良かった。

『劇場版 KING OF PRISM by PrettyRhythm』日本 監督:菱田正和 (新宿バルト9)

女児向けアイドルアニメに潜在的にあるヘンさと、ホビーアニメ感の残り香を残したまま焦点を乙女向け男性キャラに特化。ショー演出の勢いと敵グループの過剰さに大爆笑。1時間の上映時間を2時間くらいに感じた。24時15分の上映回を観た後、深く考えずにごく自然に徒歩で1時間半くらいかけて7キロ近く歩いて帰ったが全く苦痛でなかった。今思い返すとプリズムのきらめきで頭がおかしくなっていたような気がする。

『X-ミッション【字幕3D】』 アメリカ 監督:エリクソン・コア (新宿ピカデリー)

ナチュラルでニューエイジな超スポーツの神みたいな何かを信望してるコミュニティに潜入捜査官するお話、みたいな何か。死ぬ程凄いアクションと場面進行のテンポにあてられてサーフィンとムササビの間で意識が遠のく。お話はそんな覚えてない。

残穢―住んではいけない部屋―』日本 監督:中村義洋 (品川プリンスシネマ)

呪怨系ビックリではない貴重なJホラー。マンションの一室で箒を掃くような音がするという実話怪談投稿の謎を探るうちに、恐ろしい話が芋づる式に見つかっていく。基本的に、怪奇現象が直接起きるのではなく全て聴いた話という構成が面白い。

『貞子3D〜2Dバージョン』日本 2012年 監督:英勉 (Amazonビデオ)

ジャンルは心霊映画になっておらず、実質『牙狼』のようなホラー風味特撮。終始ド美人の石原さとみさんが拾った岩や斧、鉄骨等の物理で邪鬼と化した貞子を倒していく終盤の展開は漫画「彼岸島」ファンなら一見の価値ありだ!

『貞子3D 2~2Dバージョン』 2013年 日本 監督:英勉 (Amazonビデオ)

前作の数少ない見所要素は全て削減。貞子らしい貞子も出ない(!)。だが、確かに貞子3Dの2ではあるという、タイトルに偽りが無く見所も無い怪奇特撮ドラマ。もはや元のリングとなんも関係無いのが逆に凄い。

セーラー服と機関銃 -卒業-』日本 監督:前田弘二 (角川シネマ新宿)

リメイクではなくモチーフを使った新作。出演者のツラが皆さん素敵な美少女ヤクザ映画。橋本環奈さん主演の映画1作目としてはこれ以上は無いぐらいの良い娯楽作品。どんどん主演してほしい。

『プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ 【応援上映】』 日本 監督:森脇真琴 (新宿バルト9)

テンション高すぎるふざけたストーリー進行と、ただ言いたいだけの怒涛の言葉遊びギャグ、そしてキラキラ大放出の可愛いライブで、脳みそゆるくなるドラッグ系作品。みんな「かしこまかしこま」言ってた。

『血まみれスケバンチェ-ンソー』 日本 監督:山口ヒロキ (シネマート新宿)

本編は、深夜にチャンネル回してたらやってたスプラッタ特撮ビデオ見ちゃったみたいな感じ。それよりも、上映後あると知らずに始まった舞台挨拶が、出てたか分からん人含む超脇役5人と監督だけ登場しての裏話というなかなか無いもので、面白かった。

『マジカル・ガール』 スペイン 監督:カルロス・ベルムト (ヒューマントラストシネマ有楽町)

スペインで日本の魔法少女アニメ好きな娘の願いを叶えようとする父という興味深い状況。そこから予想できない展開をする映画。どうなるか分からない緊張が静かに続く。ネタバレ無い方が絶対楽しめるので、気になる人はすぐ観に行った方がいい。

劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ〜逆襲のミルキィホームズ〜』日本 総監督:森脇真琴、監督:桜井弘明 (新宿バルト9)

1期の当たり回のような、「良いミルキィホームズ」の新作。期待を外れない異常なハイテンションが70分続くので地味に体力を使う。お得意の豊かなボケ表情が劇場ではハッキリと見られて楽しかった。

『ドロメ 女子篇』 日本   監督:内藤瑛亮 (シネマート新宿)

Jホラー的演出もあるが、どちらかというとホラー映画ジャンルの肩を借りた青春映画で、「泥まみれゴスロリ金属バット」といった趣き。主演の森川葵さん演じる内気な女の子が魅力的。

『アーロと少年【吹替2D】』 アメリカ 監督:ピーター・ソーン (お台場シネマメディアージュ)

背景美術CGがクオリティ高すぎてほぼ実写。その結果、まんがのようにかわいい恐竜くんが、リアル過ぎて美しかったり死と隣り合わせで怖かったりする大自然に放り込まれるという状況となり、独特のヤバさを生み出していた。

ちはやふる-上の句-』 日本 監督:小泉徳宏 (お台場シネマメディアージュ)

スポーツ青春娯楽映画の名作。広瀬すずの千早役が大声・元気・カルタ馬鹿かつ超可愛く、めちゃんこ素晴らしい。そこだけでも凄いのだが、部活モノとして王道の面白さ。チームの5人全員応援してしまうし、最後の試合は手に汗握った!

アイアムアヒーロー』 日本 監督:佐藤信介 (新宿ピカデリー)

原作既読。おそらく日本で初のまともに面白いゾンビ映画。仕事場からタクシー事故までの混乱の流れ良し。ホラ-映画好きの人で、今の邦画にまともなホラー映画が少ないことを嘆いている人は全員今すぐ他の事は後回しにして映画館に観に行ってください。

『のぞきめ』 日本 監督:三木康一郎 (池袋シネマ・ロサ)

近年シリーズものとビデオ以外では絶滅しかけている王道Jホラーの新作映画。お化けの見せ方がそのままでそんなに怖くないが、謎の村に最初に行くシーンなど、良さげな雰囲気になる瞬間は何度かあった。そこまでホラーが得意でない人にちょうどいい怖さか。

映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』 日本 監督:高橋渉 (池袋HUMAXシネマ)

アナ雪後の作品として女の子に向けられた中々の良作。実質主役のオリジナルキャラ サキちゃんとレギュラー陣の絡みが全面的に良い。一歩引いたような落ち着いた雰囲気ながら、原点回帰感ある駄洒落&下ネタも多くほっとした。

『太陽』 日本 監督:入江悠 (丸の内TOEI)

「邦画の名作を観るぞー」みたいなスタンスで観ると気になってしまう箇所が結構ある。しかし、ラノベ・ノベルゲーム的価値観で観ると、実写邦画でここまでの作品は無いディストピアもの。映画ファンの大人よりも、10代の若者が観た方が堪能できると思う。

『LOVE 3D』フランス・ベルギー合作 監督:ギャスパー・ノエ (シネマート新宿)

濃いドラマの3Dロマンポルノかなくらいの期待で観たら、キューブリックの弟子のようなリスペクト具合。クズ男の話が「アイズ ワイド シャット」以上に深刻かもしれないトリップ映画になる。傑作。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ【字幕・MX4D】』アメリカ 監督:アンソニー・ルッソ / ジョー・ルッソ (TOHOシネマズららぽーと富士見)

ほぼファンへのサービスシーンばかりで出来ている娯楽大作なのに、現代の社会情勢/問題も描こうとする結構凄い映画。単純な娯楽映画の代名詞だったヒーロー映画が、シリーズを重ねるにつれ、リアルロボットアニメ的な作品の質に並んでしまった。

『華魂 幻影』 日本 監督:佐藤寿保 (新宿K’s Cinema)

前半だけを観ると、映画「劇場霊」よりもこの作品の方が劇場霊じゃない?と思えるような良質の心霊ホラーになりそう。なのに、その甘い予測をぶち壊しにかかってくる。呪いの混ざったような不条理映画。予告を見ない方がより嫌な気持ちになれるので情報なしで観た方がいい。

地獄の黙示録 劇場公開版〈デジタル・リマスター〉』アメリカ 監督:フランシス・フォード・コッポラ (シネマート新宿)

十数年前DVDで完全版を観ただけ。年末に偶然TVで途中を観て圧倒され、劇場で観たいと思っていた。普通のスクリーンなのに、ボートに乗って一緒に深みに潜っていくようなIMAX的没頭感があり、大変な映画体験だった。

『SHARING アナザーバージョン』日本 監督:篠崎誠 (テアトル新宿)

震災後に蔓延してる不安感を描いた劇映画。今の世の中をベースにしたドラマと不安の妄想と夢と劇中劇の練習と劇中劇とが混ざって、観ているうちに現実/映画/自分/他人の境界が曖昧になっていく。黒沢清と同じジャンルという貴重な映画。

『SHARING(通常版)』 日本 監督:篠崎誠 (テアトル新宿)

アナザーバージョンを先に観てからの観賞。同じ話だが、主役が一人増え約20分長く、編集演出やシーン細部が異なる。アナザーは感動ドラマ寄りだったが、こちらは黒沢清+白石晃司 的な社会派心霊ホラーでもあり怖い。両方観てこの映画が完成する。

『さざなみ』2015年 イギリス  監督:アンドリュー・ヘイ (シネスイッチ銀座)

45年間寄り添った夫婦の奥さんが、旦那のことを全く分かっていなかったのではないかと気づくという、静かだが強烈な話。二人のやりとりの機微が繊細。ドラマ自体を追うことよりも、観ながら色々瞑想にふけってしまうような映画だった

ちはやふる-下の句-』 日本 監督:小泉徳宏 (TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

上の句と同様に胸熱なさわやか部活モノとして楽しめた。続投の面々が愛おしいのはもちろん、新たなライバル クイーン役の松岡茉優さんの「かるたのことしか考えていないうちに凄みのある変な娘になっちゃってる」芝居が凄い。

『ひそひそ星』日本 監督:園子温 (新宿シネマカリテ)

宮沢賢治的な童話の新作かのような趣き。日本では類似作がほとんど存在していないであろう孤独と愛の未来宇宙ディストピアSF特撮震災文学映画。

園子温という生きもの』 日本 監督:大島新  (新宿シネマカリテ)

「ひそひそ星」制作時期の監督を追ったドキュメンタリー。ごく普通のドキュメンタリーなのだが、撮られている対象が面白すぎる人間なので、初めから終わりまで面白い。渋谷のハチ公増やしてた。

『ヴィクトリア』2015年 ドイツ 監督:セバスチャン・シッパー  (シアター・イメージフォーラム)

夢破れベルリンに来た女の子の夜遊びを完全ワンカットリアルタイム追体験。2時間20分カメラが完全同行し、夜遊びの共犯者となる体験ができる凄い映画。主演のLaia Costaかわいい。

『ガルム・ウォーズ【吹替】』日本 監督:押井守   (新宿バルト9)

単純に言うと外国人俳優のつまらん実写SF映画だが、そういうことではない。俳優も3DCGのように扱う「作画が完全に実写のアニメ」のような独自のやつ。赤いプラグスーツのメスゴリラが永遠の戦争に疑問を持つうちに火の七日間が始まるぞ。

 『ずっと前から好きでした。〜告白実行委員会〜』 日本 監督:柳沢テツヤ (新宿バルト9)

90年代少女まんが/アニメ的エッセンスをピュアピュア恋愛脳に昇華濃縮した、つよい1時間。終電後のバルト9という猛者しかいないはずの時間帯だったのに、キラキラオーラに敗れたのであろう単独おじさんが2名途中退席していた。

リップヴァンウィンクルの花嫁』日本 監督:岩井俊二 (キネカ大森)

苦しい現代日本社会で翻弄されるかわいそうな普通の女の子が、奇妙な何でも屋と出会いさらに翻弄される。闇金ウシジマくん的になりかける社会ドラマが、かすかな人間賛歌はらむ百合大作になっていく。今までの岩井俊二作品をも何周か超越してる。今回、キネカ大森に行く際、田町・品川方面から自転車サイクリングで大森に行ったのだが、そのエリアが映画の舞台になっていて臨場感があり、とても良かった。この作品のパンフレット。宮台真司先生の解説が、なんと15ページも掲載。パンフレットの文章ページの3分の1を占めるが、ここ数年の著作やラジオ等で話していることの総決算的な本気のやつで、超凄い。

『明日の世界 ドン・ハーツフェルト作品集』 アメリカ 監督:ドン・ハーツフェルト(シアター・イメージフォーラム)

『きっと全て大丈夫』三部作デジタルリマスター(2012年)

認知症的な病気になったらしい男の行く末を描いたアニメ。悲しくキツ過ぎる状況を、新聞4コマ漫画くらいの離れた距離感でこれでもかと描く。60分の上映時間が数日にも感じてしまうかのような、ほぼサイコホラーな幻覚交じりの人生+少しの輝きの体験。ヤバイ。

『明日の世界』(2016年)

怖い怖いタイムスリップ&ディストピア終末ものSF短編アニメ。小さい女の子が、未来にいる自分のクローンから呼ばれて未来世界を案内される。科学が極まり、命/時間/記憶が永遠になった未来の素晴らしい地球は、想像を絶する地獄絵図だった!+少しの希望。強烈!

ディストラクション・ベイビーズ』 日本 監督:真利子哲也 (テアトル新宿)

無言で人をとにかく殴り続ける男の純粋暴力に、普通の男と女が巻き込まれる。観ると無意識に何かしら影響を受けてしまいそう。舞台が四国 松山の中心アーケード街 大街道。昔1年間毎月通っていたので見覚えある場所だらけで楽しかった。

Dressing Up』2015年 日本 監督:安川有果 (テアトル新宿)

母を亡くし父と二人暮らしの女の子がいじめを解決するお話になるかと思いきや、恐ろしい展開に。大阪のミナミに数年住んでた身としては、天王寺と難波が「大阪」としてではなく「(日常的に行く)都会」として清潔に不穏に映されているのが新しく魅力的に映った。

デッドプール【字幕2D】』アメリカ 監督:ティム・ミラー (TOHOシネマズ日本橋)

デッドプールのキャラの魅力を全編披露しながらも、ヒーロー映画1作目らしい王道の展開。前半の高速道路バトルが不死身の傭兵らしいアクションで良かった。このままX-MENシネマティックユニバースのシリーズに出続けるのだろうか。

『雨女 4DX』 日本 監督:清水崇 (ユナイテッドシネマ豊洲)

40分間の今時貴重な超王道Jホラー。4DXパワーを「水」に全振り。完全に劇場の中に雨が降っている感じ。程よく怖くグロ度は低め。カップルがかなり盛り上がっており、デートにおすすめ!

少女椿』 日本 監督:TORICO (シネマート新宿)

兎にも角にも、中村里砂さん演じるみどりちゃんが5億点。丸尾末広の薄幸な美少女を実写化するという回答のベストオブベスト。エログロも無いことになっておらず頑張ってる。奇妙な怪奇映画に仕上がっている。

『ヒメアノ~ル』 日本 監督:吉田恵輔   (TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

滑稽で面白い非モテブコメが衝撃の急転をする映画。急転前も後も、主演陣の芝居・間が素晴らしい。一番楽しめるのは予備知識ゼロの人なので、そういう幸運な人はすぐ観に行くべき。今年は漫画原作の邦画に名作が多いが、これも加わった!

『ノック・ノック』  アメリカ  監督:イーライ・ロス (シネマート新宿)

びしょ濡れエロ美女二人を雨宿りさせたら取り返しのつかないことに。ある意味、妖怪濡れ女。休暇シーズン中ご町内自分一人で留守番する怖さが描かれているようで、アメリカ人からすると日本人が観るよりも、もっと怖い映画である可能性がある。

10 クローバーフィールド・レーン(IMAX)』 アメリカ 監督:ダン・トラクテンバーグ (TOHOシネマズ新宿)

見えないものが見えるまで、真実が、そして映画ジャンルが分からないという面白い作りの映画。の筈が、タイトルと宣伝から予想できる以上にならない、かなり残念な作品。少し考察の余地が残ってはいるが、些細なことっぽい…

『貞子vs伽椰子【MX4D】』 日本 監督:白石晃士 (TOHOシネマズ新宿)

両作のオリジナル文脈を大切にしつつ、白石作品的文脈を持つ新キャラが繋げるエンタメVS映画の名作。笑わせもするがちゃんとホラー映画で、本気で怖がっているライト層観客もいて良かった。楽しすぎで、もはや感情が感謝に。

クリーピー 偽りの隣人』 日本 監督:黒沢清 (丸の内ピカデリー)

香川照之さんのサイコパス芝居が5億点。捜査サスペンスが徐々に不穏になる中盤までは相当面白い。しかし、警察が無能過ぎるのと、主要人物全員が怪しい奴に対して不用意で無防備過ぎるので、かなり残念な展開に…。宣伝もサブタイもネタバレしてるぞ。

ズートピア【字幕2D】』アメリカ 監督:バイロン・ハワード、リッチ・ムーア (TOHOシネマズ新宿)

道徳の時間に観るようなテレビまんがを500万倍くらい凄くした作品。人種/男女差別テーマで貫かれた新人警官鳥獣戯画。「実写を越えたCGの超絶さ」と「ジュディの兎らしい俊敏さのようなカートゥーン的コミカル動作」の両立も素晴らしい。しかし、ここ最近観た、『ディストラクション・ベイビーズ』『ヒメアノ~ル』『ノック・ノック』『クリーピー 偽りの隣人』に続き、「警察もうちょっとなんとかしろ映画」に『ズートピア』も加わりました。ズートピア警察署(ZPD)の奴ら、監視カメラのチェックすらせず、ほぼ捜査してない上に勤務中に萌えゲーしています。

『日本で一番悪い奴ら』 日本 監督:白石和彌 (丸の内TOEI)

実際に北海道警で起きた不祥事を描いた犯罪映画。ノルマ目指して頑張るうちに目的と手段が入れ替わり、自然に重犯罪に進む刑事。それをエンタメヤクザ映画のように楽しく描くと共に、日本の役所/会社組織に戦前からずっと存在する腐った部分が描かれる。名作。

2016年上半期 映画館で観た新作ベスト19


19:ヒメアノ〜ル
18:ちはやふる-上の句
17:マジカル・ガール
16:ズートピア
15:セーラー服と機関銃〜卒業〜
14:SHARING
この下全部1位級
13:日本で一番悪い奴ら
12:ひそひそ星
11:アイアムアヒーロー
10:シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
9:残穢
8:劇場版KING OF PRISM
7:孤高の遠吠
6:LOVE【3D】
5:明日の世界ドン・ハーツフェルト作品集
4:FAKE
3:リップヴァンウィンクルの花嫁
2:貞子VS伽倻子
1:イット・フォローズ 

 

下半期

tenguotoko.hatenablog.com

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

 

 

【映画感想】『犬ヶ島』-「けものフレンズ」好きにも「ひとりぼっち惑星」好きにも観てほしい名作ディストピアSF

(2018年 アメリカ 監督:ウェス・アンダーソン)

新宿バルト9で観賞

f:id:tenguotoko:20180623002502j:plain

良い映画ありすぎ問題

2018年6月現在。観たい映画、観ておくべき映画、ノーマークだったけど評判がとても良い映画、がありすぎて、映画ファンの皆さんはいい意味で気が狂いそうではないでしょうか?。私はGW前くらいから心の鼻血が出っぱなしです。

今作『犬ヶ島』は、監督歴およそ20年程ですでに巨匠の風格あるウェス・アンダーソン監督の作品ということで、映画観賞ガチ勢からすると「観て当然」クラスの作品。しかし、私のような観る作品が特定のジャンル映画に偏りがちな人間にとって、心の中の「そのうち観る」棚にず~っといる監督でした。ですが、最近『ランペイジ』や『ピーターラビット』といった、幅広い意味での「どうぶつ映画」が面白い。そして今作は人形「アニメ」である!ということで初の映画館観賞。

素晴らしいディストピア映画

事前情報をできるだけ入れずに行ったので、始まった瞬間に内容の勘違いが。私は勝手にこの作品を『ズートピア(16)』のような、人間社会を動物キャラクターに置き換えた寓話だとばかり思っていましたが間違いでした。少し未来の日本。悪い政治家たちの策略により、奇病の感染源ということで全ての犬がゴミの島に隔離されて時間が経ったところから物語が始まります。人間が普通にいる世界観で、犬はリアルに犬です。

この、ノラ犬だらけで「犬ヶ島」と化したゴミ島の詳しい状況や設定はあっさりとしか語られません。しかし、少年と犬さんたちが島の中を探索していく中で、昔はレジャー施設もあり人が大勢いたこと、津波などの災害や原子力発電所の事故で封鎖エリアとなったことなどが見えてきます。圧倒的なヴィジュアルの背景と映画的に強いショット(しかない!)の力で、日本の美しさ/汚さ/楽しさ/不気味さなど様々な良い面・悪い面が、客観的なフィルターでろ過されて増幅されたメッセージとして目の前に広がります。

実質けものフレンズ

んん?我々はこの感覚を知っている!。ヴィジュアルの強度や情報量こそ全く違えど、これは『けものフレンズ』本放送時、回を重ねていくにつれ、その世界状況やメッセージが見えてくる感覚と同じだ!犬は「けもの」ですし、「フレンズ」を獲得していくお話ですので、『犬ヶ島』は実質けものフレンズです。

「ひとりぼっち惑星」へのルートを回避するお話

犬ヶ島』には魅力的な未来描写があります。和風家屋や鳥居、浮世絵っぽい山、白黒日本映画っぽい草原といった、外国人から見て魅力的な日本風美術。その中で、ブラウン管テレビとドローンロボットが同居。レトロさと新しさが混ざった未来像のバランスは、『鉄腕アトム』から『サイボーグ009』くらいの日本の漫画や『地球防衛軍(57)』のような古い特撮映画にあった、実際にはそうならなかった未来像に近いものがあります。

悪い政治家を中心とした悪い大人たちは、自分の損得のために殺人ドローンや殺人ロボット犬(顔が旧メカゴジラ)を駆使し、不都合な事実を排除・隠ぺいしようとします。しかし、ひとりの少年の、好きだった犬に会いたいという気持ちが、この悪政を覆すきっかけになっていくのです。ところでこの映画、人形アニメーションであるという性質と、ウェス・アンダーソン監督の得意とする描写・演出により、「横移動」がメインの作品となっています。この感覚は、近年のゲーム機やスマホゲームで一つのムーブメントとなっている「最新ヴィジュアルによる2Dゲーム」を進めていく快感とも通じるものがあります。私の遊んだことのあるゲームでは『ひとりぼっち惑星』などもこのムーブメントに入りますが、誰もが損得だけを優先し、異物・自分と違う者を排除していった結果が『ひとりぼっち惑星』の世界とすると、映画『犬ヶ島』は『ひとりぼっち惑星』のような最悪の未来へのルートを回避しようとする物語とも言えるでしょう。

というわけで、色んな意味で『けものフレンズ』ロスの皆さまも、ディストピアSFっぽい雰囲気の2Dゲームが好きな方も、あとアニメ映画全部観るクラスタの皆さんも、映画館で犬ヶ島』を観てください!

犬ヶ島』のパンフレット

f:id:tenguotoko:20180623015836j:plain

48ページの大ボリューム。信頼の「FOXサーチライト・マガジン」シリーズvol.12。『シェイプ・オブ・ウォーター』や『スリー・ビルボード』のパンフもそうでしたが、従来のパンフレットの枠を超えた事実上ムックレベルの充実した内容。おすすめです!

 

映画『犬ヶ島』 公式サイト

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

 

 

【映画感想】『ビューティフル・デイ』心霊/サイコホラーに接近するサスペンス

(2017年 イギリス 監督:リン・ラムジー)

ヒューマントラストシネマ渋谷で観賞。

f:id:tenguotoko:20180621000720j:plain

完全ノーマークの拾い物

完全にノーマーク作品。監督の過去作も観たことなく、ネットで情報に一瞬目を通した際も、典型的な「殺し屋と女の子の映画」かな?と思うだけでした。しかし、観に行った人から「なんか気持ち悪いヘンな映画だった。ホラーみたいというか…」という感想ゲット。普通のホラー映画はもちろん大好きですが、「解釈によってはホラー映画とも言える」映画や、「別ジャンルの映画のふりして実はホラー映画」な映画も大好きな自分としては観ないわけにいかぬ。

一見よくあるジャンル映画

元軍人の経歴を持つ男。ふくよかで髭モジャというダメそうな見た目ですが、「ナメてた相手が殺人マシーン映画」級の戦闘力を持っているプロ。タイマン・奇襲ではほぼ瞬殺の無敵。そんな彼は、年老いた母を食べさせる為に、犯罪組織に誘拐された少女を救出し報酬をもらうという正義の殺し屋稼業を行っています。今回も、一人の政治家から自分の娘を救出してほしいという依頼を受けます…

ここまで書いたあらすじからは、「殺し屋と女の子の映画」以上の印象を受けないでしょう。しかし、この映画、あらすじや物語だけ見ると確かに、いわゆる「殺し屋と女の子」系のジャンル映画なのですが、実際に観ると全く違う印象を受けます。ネタバレや事前知識は無ければ無いほど楽しめるので、ここまでの時点で気になった人はネットを切ってすぐ観た方がいいです。

思ってた映画と違う

まず、この作品はどうやら、この男がその見た目からは想像できない戦闘力で悪をどんどん倒していく系のアクション映画ではないようだ、(例えば『96時間(08)』のような)、ということはすぐに分かってきます。

序盤。一仕事終えた男が帰宅。二人だけで暮らしている年老いた母親が、ヒッチコックの『サイコ(60)』をさっきまで一人で観てて怖かったと話し、男がサイコのモノマネをするという、ほのぼのシーンがあります。ですが、『サイコ』は精神に異常をきたした男が母親を殺し、女装してそのフリをしていたという話です。ここだけでも、「この男も頭がおかしいのか?」「この母親も殺されるのか?」という想像を誘い、不穏/不安/緊張感がにじみ出てきます。

話は予想できるのに映画としては予測できない

この先の具体的な内容には触れません。しかし、展開が進むたびに、物語としてはわりと王道のお話なのに、「ん?これ、『タクシードライバー(76)』の精神的な続編?」「いや、もしや黒沢清リスペクトな高度な心霊映画!?」。「いやいや、そもそも、どうなるの?」と、次々と違う表情を見せていきます。殺し屋映画?。犯罪映画?。心霊ホラー?。おはなしとしての展開は想像できるのに、映画としての流れ・意味は予想できず、最後まで緊張感が続きました。

この映画の目指しているのはおそらく、この揺れ動く「不穏/不安/緊張感」といった純粋なサスペンスな気持ちそのものなのでしょう。

なかなか味わえない映画体験ができます。2018年6月現在、巨匠の最新作も話題の大作も大量に公開されていて、映画ファンにとって観ても観ても観きれない嬉しすぎる状況が続いていますが、この『ビューティフル・デイ』もオススメです!あ、あと、ヒロインが超綺麗ですよ!

ビューティフル・デイ』のパンフレット

f:id:tenguotoko:20180622005351j:plain

22Pフルカラー。リン・ラムジー監督と主演ホアキン・フェニックスのインタビュー。映画ライター高橋論治さんによる監督の過去作と絡めた解説。映画・音楽ジャーナリスト 宇野維正さんによる音楽解説。そして、文筆業 品川亮さんによる「この映画を読み解くために、参照してもいいかもしれないキーワード集」も掲載。謎が多く、解釈が観客に委ねられた作品なので、観賞後に読むとより作品を味わえる良いパンフレットです。

 

映画「ビューティフル・デイ」公式サイト 2018年6/1公開

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

 

【映画感想】『レネットとミラベル 四つの冒険(86)』日常系アニメより20年早い萌え日常コメディ

(1986年 フランス 監督:エリック・ロメール)

早稲田松竹ラシックス vol.136 エリック・ロメール監督特集で観賞。

f:id:tenguotoko:20180617115259j:plain

ロメール大好き

数年前に下高井戸シネマで『海辺のポーリーヌ(83)』観て以来ロメール作品が好きになり、毎年都内のどこかの映画館がやってくれる特集上映に行くようになりました。レンタル店では取り扱いが少なく、あってもVHSだけが多い。DVDは発売していますが、天然の自然と街と人物がなんとも言えない輝きを持って描写されている作品が多く、初見は映画館のスクリーンで観賞したいと思わせてくれる監督なのです。ロメール作品は可愛い系の作品とクズ男系の作品がありますが、今作は可愛い系です。

短編全4話の映画

この作品、映画サイトなどでは「全4話からなる短編オムニバス」と紹介されていることが多いです。ですが「オムニバス」と言ってしまうと無関係の4つの短編のようにも思えてしまうので「短編全4話の映画」という方が印象に合っています。

田舎暮らしをしながら独学で絵を学ぶ女の子レネット(かわいい)と、都会暮らしの女の子ミラベル(かわいい)がたまたま知り合い、一緒に暮らし始めます。田舎で出会うエピソード1話。パリに出てからの3話の全4話構成。この4話の中に、今の日本の日常系アニメ的な作品へ繋がる遺伝子がたっぷり含まれていると感じました。今回はアニメファン目線からのススメです。

第1話「青い時間」

第1話「青い時間」は、田舎で二人の仲が徐々に深まっていくお話。ミラベルの自転車のパンクがきっかけで知り合った二人。レネットが暮らす美しい自然に囲まれた中で他愛のないお喋り。田舎でしか味わえないちょっぴり素敵な瞬間を体験します。ちょっぴり奇跡な自然現象の瞬間を体験した二人の仲が深まるという似た展開は、同じロメールの先行作品『緑の光線(86)』で男女が体験しています。また、ロメールに先んじて大林宜彦監督が『天国にいちばん近い島(84)』でも描写していますが、これも男女。この作品では女の子二人が体験。これは百合確定。このエピソードにおける、ゆるやかな自然と素敵なできごとは、現在放送中でもあるアニメ『あまんちゅ!』シリーズ(原作:天野こずえ 総監督:佐藤順一)や、アニメ『ヤマノススメ』シリーズ(原作:しろ 監督:山本裕介)にも通じる素敵さです。

第2話からはコメディ映画

第2話~4話からは舞台がパリに移動。ミラベルのアパートにレネットがルームシェアし、都会暮らしをはじめます。第2話からはレネットから見た都会の暮らしにくさの表現なのか、ヤバいカフェ店員おじさん、小銭くれくれおじさん、意識高い系の画廊の店主といった、クセの強いおかしな人が現れるコメディ映画となります。コメディといっても笑い一辺倒ではなく、ギャグもあり、ほっこりあり、友情あり、考えさせられる話もある。萌え4コマ系アニメの趣きに通じる面白さがありました。第2話と第4話のオチは声を出して笑いました。

日常系アニメが好きな人で、外国の実写映画も観てみようかな?という方がいれば、ぜひ観てください。(ちなみに同じロメール監督でも『コレクションする女(67)』『海辺のポーリーヌ(83)』『夏物語(96)』などは週刊漫画誌系ラブコメっぽいかも?)

蓮實重彥さんの言及

ところで、映画評論家の蓮實重彥さんは、著書『映画に目が眩んで(1991,中央公論社)』の中で、この作品について以下のように評されています。

ほとんど目に見えない大気の流れとなってあたりにはじけ散るような快楽の次元が、若い女性の肉体そのものに集中し、よりフォーカスはせばめられている。(前書:p460-461) 

この表現。今の言葉で言えば「萌える」の一言につきるでしょう。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

 

 

2015年映画感想tweetまとめ(およそ50本)&ベスト15

前回 2014年映画感想tweetまとめ&ベスト10 - 映画とかのおはなしブログ

2015年当時のtwitter映画感想まとめ(50本くらい)

f:id:tenguotoko:20180615211632j:plain

元は「〇〇なう」形式なので、監督名足すなどして整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。観た作品全部の感想を書いているわけではない。()は観賞した映画館orメディア。

『劇場版 BiSキャノンボール 2014』 日本 監督:カンパニー松尾  (テアトル新宿)

BiSについても監督についても詳しくないが(「テレクラキャノンボール」観ただけ)、これも映画として面白かった。他のお客と空気を共有する観賞体験が良いので、映画館で観たほうがいい

花とアリス殺人事件』 日本 監督:岩井俊二 (新宿バルト9)

ひとつの方向での、ゆるふわ日常コメディの最高峰という感じ。キャラの芝居や表情の楽しさや、実写から美しさエキスを抽出したような素敵な背景はスクリーンで見ると至福なので、映画館で観たほうがいい

ジョーカー・ゲーム』 日本 監督:入江悠 (お台場シネマメディアージュ)

『SRサイタマノラッパー』の入江監督の新作ということで観賞。今までの作品と違い大衆向け娯楽映画なのだが、達人としてのスパイ描写が素早カッコ良く、普通に面白かった。シリーズ化希望

『放送禁止 劇場版  洗脳 邪悪なる鉄のイメージ』2014年 日本 監督:長江俊和  (DVD)

中盤の逆転シーンはぎょっとした。初期シリーズと違い最後に正解が出るんだけど、それだけだと友人と脱洗脳家の映像がやたらカット編集されていることに違和感がある気もする

THE NEXT GENERATION パトレイバー首都決戦』 日本  監督:押井守 (ユナイテッドシネマ豊洲)

表面上はアニメの劇場版パトレイバー2の続編なのだが、実は怪獣映画だったかもしれない。1章から観ていくと、3代目特車二課も大好きになっている。もっと新作観たい

『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』 日本 監督:橋本昌和 (シネマサンシャイン平和島)

序盤の擬似最終回に普通に泣く。言葉の壁を描写しておきながらすぐペラペラになるのをスピードラーニングでツッコミ済ませるのは吹いた。サボテン大襲撃部分のガチ恐怖感は見どころ

『お化け屋敷列伝 戦慄迷宮MAX』 日本 監督:若林雄介 (シネマサンシャイン池袋)

お化け屋敷体感映画というかつてないジャンル。戦慄迷宮がお化け屋敷として異常なクオリティで、体験者のリアクションも楽しく、ハズレのホラー映画とかよりも怖くて面白かった。場内満席でドッカンドッカン受けてた。この作品は恐らくただのドキュメントに近い。だけど、複数の挑戦者がまわる順路の編集に無限感があり、屋敷内トラップの解説が無い中で「え?」という場面がいくつかあり、さらに終わりが変。なので謎の違和感を残すのに成功している

新宿スワン』 日本 監督:園子温 (TOHOシネマズ日本橋)

園子温作品の中で最もマイルドな純粋大衆娯楽映画だった。歌舞伎町の奥ではさすがに撮影できないようで、バーストの場所がヤマダ電機の向かいという、もの凄い手前にあったw

『Zアイランド』 日本 監督:品川ヒロシ (角川シネマ新宿)

ヤクザ×ゾンビB級ホラーみたいな狙いの作品はVシネに多くありそうなんだけど、その大半はC級D級。それが、観られるB級娯楽映画として仕上がっている。期待せずに観に行くと予想以上に楽しめるはず

メイズ・ランナー』 アメリカ 監督:ウェス・ボール (池袋シネマ・ロサ)

『キューブ』と『進撃の巨人』を混ぜて凄くした感じかと思ったが、もっと普通の展開だった。終盤の謎が明かされる手前あたりまではわりと面白かった。最後に2章の予告あったが、それ見るともう迷路関係なさそう

『ラブ&ピース』 日本 監督:園子温 (TOHOシネマズ渋谷)

先に出版された絵本読んだ際は、純愛映画を装って震災系のキツイものを見せようとしてるのかなと思った。だが、ウルトラQ感のある面白い不思議コメディだった。もしかして西田敏­行さんが主役か

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE01【口裂け女捕獲作戦】』2012年 日本 監督:白石晃士 (iTunesレンタル)

パッケージだけだと無数にある投稿ホラービデオと区別がつかないが、ビデオの制作スタッフが異常な事件を取材するという面白いPOVフェイクドキュメンタリーホラーだった。FILE01が面白かったので、2から4まで一気に観てしまった。各巻はそれぞれ幽霊・河童・花子さんと、別の怪現象を扱ったビデオとして独立してる。だが、通して観ると海外連続ドラマのようになる構成が凄く面白い。3はモンスターパニック映画。4はもはやSF映画。

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!劇場版・序章【真説・四谷怪談 お岩の呪い】』2014年 日本 監督:白石晃士 (iTunesレンタル)

投稿ビデオものとして始まる体は崩さないまま、凄い除霊シーンで強烈なエクソシスト映画になってしまう。ボロ屋敷を覆うアルミなど、いつの間にか『ノロイ』の世界観が見え隠れしてくるのも興奮した。

『オカルト』 2009年 日本 監督:白石晃士 (DVD)

通り魔事件に迫るドキュメントのはずが、被害者のワーキングプア男に密着するうちに、異常な展開になっていく。ドキュメント風社会派青春伝奇ホラーとでも言えばいいのか分からないような視聴感で、かなり面白い映画。主演の宇野祥平の存在感も凄い。

『バチアタリ暴力人間』 2010年 日本 監督:白石晃士 (DVD)

心霊ビデオの撮影現場に、最悪のDQN二人組が乱入するというバイオレンス映画。心霊は一切出てこない。だが、二人の暴力が発露するのが除霊(降霊)シーンより後なので、深読みすると憑かれたとも解釈できそう。終盤、作品内での虚実が分からなくなる。

『カルト』 2013年 日本 監督:白石晃士 (DVD)

前半は芸能人が心霊ビデオのお宅に訪問する和製エクソシストドキュメント。だが、仮面ライダーオーズのアンクが転生したスーパー霊能者が現れ、特撮ホラーみたくなる。『オカルト』に続き『ノロイ』の霊体ミミズも出てくる。監督作品共通で黄泉の軍団がいるっぽい。

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版』 2014年 日本 監督:白石晃士 (iTunesレンタル)

杉沢村潜入ビデオのノリで『ノロイ』の呪いの元凶となったヤバすぎるダムと廃村に潜入してしまう。POVホラーが、しまいには諸星大二郎ウルトラQ巨神兵東京に現わるを混ぜたような壮大な話になってしまい凄いことになる。

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章』 日本 監督:白石晃士 (iTunesレンタル)

ネットの生配信番組の中で行われる過激な行為で、クトゥルフ的な崩壊と戦うという、見たことないような映画。PC画面で観る臨場感もかつてない感じ。最終章かつ『オカルト』続編でもあって無茶苦茶な内容なのに感動的。

『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-01 恐怖降臨!コックリさん』 日本 監督:白石晃士 (iTunesレンタル)

04の花子さんは学校の怪談に見せかけて超時空百合ジュブナイルだったが、今作は正統派の学校の怪談ものをPOVでやりきった内容。今作もワンカット風演出の潜入映像が面白い。シリーズずっと続いてほしい。

『シロメ』 2010年 日本 監督:白石晃士 (DVD)

ももクロが廃墟に潜入する心霊ドキュメント風ホラー&ファンムービー。他の白石作品と違うのは、ももクロは仕込みであることを知らされていないので本気で怖がっているという点。今観ると『BiSキャノンボール』に通じるものがある。コワすぎお岩に出てきた怪談師も出る。

リアル鬼ごっこ』 日本 監督:園子温 (渋谷シネパレス)

序盤はデスゲーム系の匂いをさせつつファイナルデスティネーションする映画かと思ったが、そうでもなく、園子温不思議の国のアリスという感じ。ネタバレ情報が入ってくる前に観た方が楽しめると思う。

『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪』 日本 監督:白石晃士 (渋谷アップリンク)

今回は全編「登場人物は皆真剣だが、笑える」感じ。妖怪ラブコメのような何かヘンなものを観た。そういえば、家の周りのペットボトルは何だったのか。一番怖かったのは最後のおまけ短編。

新尾道三部作オールナイト『ふたり(91)』『あした(95)』『あの、夏の日 ~とんでろ じいちゃん~(99)』 日本 監督:大林宜彦 (早稲田松竹)

3作とも、生と死・現実/非現実の境目がうつろになる作品。深夜のテンションでうとうとしながら3連続で観ると、夢を見ているような貴重な映画体験だった。

『7500』 日本 監督:清水崇 (新宿バルト9)

ハリウッド呪怨2作に続く海外製作で、飛行機パニック×心霊ホラー?というような趣の作品。上映前に舞台挨拶があり、監督が東洋と西洋では恐怖を感じるツボが違うという話をしていた。西洋向けだと幽霊に攻撃されないと怖いと思ってもらえないとのこと。

『裏ホラー』2008年 日本 監督:白石晃士 (DVD)

刺激的な衝撃映像系ビデオ。心霊以外にも、海岸にいた変な生き物のビデオなどあって面白い。そして、昨晩舞台挨拶で初めて生で見た清水崇監督が偶然にも本人役で出演しており、そのシンクロニシティにびびった。

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』 2014年 アメリカ 監督:アンソニー・ルッソ / ジョー・ルッソ (DVD)

アベンジャーズ2観に行く前に、まだ観ていなかったフェイズ2の4作を観た。その中で一番面白かった。冒頭のランニングシーン、S.H.I.E.L.D.脱出からの戦闘機破壊など、キャプテンの超人描写のさじ加減が良かった。

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンアメリカ 監督:ジョス・ウェドン(ユナイテッドシネマ豊洲)

ハルク対ハルクバスターが迫力あった 。今回の敵、ソーさんがもうちょっと本気出してピューって飛んでって雷撃するだけで勝てたような気がしなくもない。あと、あの街ひとつ落ちるだけでは人類が滅ぶ感じが全然しないぞ。

ラブライブ! The School Idol Movie』 日本 監督:京極尚彦 (ユナイテッドシネマ豊洲)

予想以上に映画していて面白かった。クライマックスの秋葉原ライブシーンは女の子が観たら男以上に多幸感がありそう。最後のライブを描き切っていたらさらに名作になってた予感。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』 日本 監督:樋口真嗣 (新宿ピカデリー)

フランケンシュタインの怪獣がいっぱい出るようなSF怪獣映画。ホラー映画演出もある。少年漫画原作ながら残酷描写をごまかさない貴重な作品。ミカサ役の水原希子が可愛いかった。前編は割と原作の筋通りな印象がある

『東京無国籍少女』 日本 監督:押井守 (渋谷シネクイント)

90年代後半の深夜アニメやラノベのような超セカイ系。『TOKYO TRIBE 』で凄かった清野菜名さんが出ずっぱりなので好きな人にはお薦め。予告編が超ネタバレな上、公式サイト開くだけで流れるので、何も予備知識無しで観た方がいい。

海街diary』 日本 監督:是枝裕和 (新宿ピカデリー)

2時間の実写映画化として最高の出来。家族と死にまつわる切ない話・いい話・悲しい話を地味に丁寧にやる。一方、4姉妹が常に、原作でたまにあるキメ顔のコマ以上の可愛いさを繰り広げている。特に綾瀬はるかさんの素敵さと広瀬すずさんの可愛さが凄いことに。

『バケモノの子』 日本 監督:細田守 (TOHOシネマズ スカラ座)

今までのような「日本のアニメを更新する映画」ではなく、夏の大作TVまんが。「あんまり出番無かったのに急に中2病的暗黒面に落ちる脇キャラ」などがいて、性質が一番近い作品はおそらくNARUTO。そういう視点で観るのが一番楽しめそう。

呪怨-ザ・ファイナル-』 日本 監督:落合正幸 (イオンシネマ板橋)

昨年の『呪怨 終わりの始まり』の完全な続き。伽椰子も俊雄君も人間エピソードがハッキリ描かれるせいでお化けというよりもダークサイドに落ちたミュータントみたいになっちゃって怖くない。もっとただ怖い呪怨が観たい。

『脳漿炸裂ガール』 日本 監督:アベユーイチ (角川シネマ新宿

勝手に期待してたホラー要素は無し。デスゲーム謎解き要素も全くメインではなく、主演二人のアップの可愛さが主なゆる百合ビデオだった。ニコニコで生放送された際につっこみながら見るのがいいのかも。主演二人が悪人を抹殺しまくる続編になるなら観たい。

『野火』 日本 監督:塚本晋也 (シネリーブル梅田)

南の島でのひとりの日本兵の見たものを体験する戦争映画。戦場の凄惨な描写が容赦無く、スプラッター&サイコ&心霊ホラーの名作もしくは地獄の黙示録に接近したような凄い映画になっている。上映時間90分が2時間半位に感じた。これは今年の邦画トップクラス。

『人生スイッチ』 アルゼンチン・スペイン 監督:ダミアン・ジフロン (ヒューマントラストシネマ有楽町)

6篇の短編コメディー集。おそらく「仕返し」みたいなことをテーマにしている。どの短編も面白かった。アメリカ映画よりも共感できる場面が多い気がした。アルゼンチンはそういう国なのかな。

コープスパーティー』 日本 監督:山田雅史 (シネ・リーブル池袋)

原作ゲームの知識皆無で観賞。今のアイドル邦画としては珍しく、『リング』の延長線上のJホラーというよりも、スプラッター映画。見てるだけで痛そうな場面が多い。おばけなのに完全に腕力で襲ってくる。画面が妙に暗かった。

アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW! 【3D スマホおうえんライブ】』 日本 監督:綿田慎也 (池袋シネマサンシャイン)

3Dの没入感&アプリ連動の臨場感(と笑い)による、サービス満点ガチで可愛いドラッグムービー。特殊な映画体験ができるので興味ある人はみんな行った方がいい。

『死霊高校』 アメリカ 監督:クリス・ロフィング / トラビス・クラフ (新宿ピカデリー)

深夜の学校に潜入した悪ガキがホラーな目に合うPOV映画の小品。ほぼ予告通りの内容でそれ以上は無かったが今は映画館で観られる正統派ホラー洋画が少ないのでそれだけで貴重か。

『映画 みんな!エスパーだよ!』 日本 監督:園子温 (渋谷HUMAXシネマ)

ドラマ版リメイクだが、嬉しいエロを釣り餌に、監督の前作、映画『リアル鬼ごっこ』の男版のような映画になっている。映画『新宿スワン』的純愛シーンが妄想、敵の女の子の環境が映画『ヒミズ』的など、気になる要素があった。新キャラに顔力ある。

アントマン【3D】』 アメリカ 監督:ペイトン・リード (TOHOシネマズ日劇)

小さくなった視点のシーンと3Dの相性が良く楽しかった。いつものマーベルよりもコメディな感じだった。

ピクセル【3D】』アメリカ 監督:クリス・コロンバス (丸の内ピカデリー)

予告通りの純粋娯楽映画。現実世界を飛び回る初期のドットゲームという絵面が、3Dとマッチしていて楽しかった。テレビより映画館で観た方が楽しめると思う。

『GONIN サーガ』 日本 監督:石井隆 (TOHOシネマズ新宿)

役者さんや雰囲気は良いが、味方も敵もさっさと撃てば済みそうなのに撃たない場面が何度もありイライラした。TVアニメ版『NANA』を観てから観賞すると、土屋アンナさんがその主題歌を土屋アンナとしてでなく映画の役のまま歌うシーンで頭が変な感じになるので『NANA』先に観てから行くべし!

『岸辺の旅』 日本 監督:黒沢清 (テアトル新宿)

最初の夫の出現シーンから終わりまで、映画ならではの様々な幽霊描写が全編に及ぶ非ホラー超幽霊映画。謎と切なさと少しの恐怖の気持ちが混ざり興奮で鼻血が出そうだった。

心が叫びたがってるんだ。』 日本 監督:長井龍雪 (新宿バルト9)

終盤の探しに行くシーン、見つけて納得して戻るまで結構時間かかってそうで、もう間に合わないんじゃないの?という感じ。ラブホテルが学校の裏にあったか、ミュージカルが2時間くらいある超大作だったかのどちらかなのだろうか(笑)

ファンタスティック・フォー』 アメリカ 監督:ジョシュ・トランク ( TOHOシネマズ日本橋)

壮大な設定のはずなのに研究室とワープ先の場面ばかり。その上、身内のいざこざなのでスケールちっちゃく感じる。スーがわりと可愛いのと岩男の戦場映像くらいしか見所が無かったぞ!

ARIA The AVVENIRE』 日本 監督:佐藤順一 (新宿ピカデリー)

映画版というよりも、TVアニメ新作エピソードを3話分映画館で上映したような趣き。好きだったアニメの純粋な続きが放送から7年も経ってから映画館で観られるなんて経験は無いので、幸せな企画。

『とびだすプリパラ み〜んなでめざせ! アイドル☆グランプリ【3D】』 日本 監督:依田伸隆 (ユナイテッド・シネマ浦和)

CGライブ系アイドルアニメで現状最高峰の夢色ライブ演出によるキラキラの暴力を大画面3Dで堪能。バーチャル空間という設定がマッチした結果、謎の生放送臨場感があった。

『ヴィジット』アメリカ 監督:M・ナイト・シャマラン(TOHOシネマズみゆき座)

姉弟のおじいちゃん家お泊まり記録ビデオがだんだん不穏になっていく正統派ホラーの名作。ネタバレ前に観た方が怖がれるので、感想を検索せずにすぐ観た方がいい。食事は済ませてからの方がよりいいかも。

劇場霊』日本 東京国際映画祭「日本のいちばん怖い夜~Jホラー降臨」先行上映  監督:中田秀夫 (新宿ピカデリー)

タイトルから『女優霊』のアップデート版路線のJホラーを勝手に期待していたが、そうではなく、クロユリ団地路線の怪奇映画だった。。タイトルに霊とあるが、霊というより、ほとんど昭和特撮の怪人。

悪魔のいけにえ 公開40周年記念版』 アメリカ 監督:トビー・フーパー (渋谷HUMAXシネマ)

10年以上前にレンタルで観たきりで、名場面以外はわりと忘れていた。不快なエンジン音や叫び声など大音響の効果が抜群で、頭がおかしくなりそうな恐ろしさが最高に楽しめた。

『恋人たち』 日本 監督:橋口亮輔 (テアトル新宿)

おしゃれ恋愛映画ではなく、今の日本で生きていく中でのやりようのない苦しさに崖っぷちギリギリで耐えたり耐えられなかったりする人々のドラマ。超苦しい内容だがユーモア全開で救われもする。今年の映画トップ級。

ガールズ&パンツァー 劇場版』 日本 監督:水島努 (新宿バルト9)

TV版は1回流し観しただけの記憶で観賞。ほぼ戦車アクション&女の子達のキャラプッシュだけで成り立つ構成や、リアリティ/アニメ的ゆるさのバランスが絶妙。TVアニメの新作劇場版としてひとつの完成例という感じ。

グリーン・インフェルノアメリカ・チリ    監督:イーライ・ロス (新宿武蔵野館)

このジャンルの映画を観るのは初。飛行機が落ちて食人村に至るまでが想像より丁寧に描かれていた。だからか、内容を分かっているのに、一人目が食べられてしまうシーンがインパクトあった。

『Wake Up, Girls!続・劇場版 後篇 〔Beyond the Bottom〕』 日本 監督:山本寛 (TOHOシネマズ新宿)

今までと違って、すんなりと終わってしまった感じ。これで終わりならちょっと残念だな…。

サクラメント 死の楽園』 アメリカ 監督:タイ・ウェスト (角川シネマ新宿)

ヘリでないと行けないような僻地で都市文明から離れて生活するカルト団体に潜入取材するPOVホラー。割と面白かったが、予告や公式サイトで見せすぎてしまっている。それ以上の内容は無いので、何も調べないですぐ観た方が楽しめると思う。

ナイトクローラー』  アメリカ 監督:ダン・ギルロイ (下高井戸シネマ)

聡明で勤勉で邪悪な男が、凶悪・衝撃事件の特ダネ映像パパラッチとして成功していくお話。全く罪悪感を持たない主人公のサイコパス芝居がとても良かった。悪事を覗くうちに、自分がどちら側で考えているのか分からなくなるような緊張感と興奮があった。

2015年映画ベスト15 ※映画館で観た新作57本中

15:アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW! 【3D スマホおうえんライブ】
14:ラブ&ピース
13:リアル鬼ごっこ
12:ナイトクローラー
11:ヴィジット
10:スター・ウォーズ/フォースの覚醒
9:戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-02
8:海街diary
7:ゾンビーバー
6:劇場版BiSキャノンボール 2014
5:マッドマックス怒りのデス・ロード
4:花とアリス殺人事件
3:恋人たち
2:岸辺の旅
1:野火

旧作は、早稲田松竹で観た大林宜彦『ふたり』『あした』がトップ3位に並ぶ。ソフトではじめて観た作品も含めると『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズを中心とした白石晃士監督作品が面白すぎてドはまり。20作品くらい一気に観てしまった年だった。

 

翌年

tenguotoko.hatenablog.com

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

 

 

 

2014年映画感想tweetまとめ&ベスト10

2014年当時のtwitter映画感想まとめ

f:id:tenguotoko:20180612000428j:plain

元は「〇〇なう」形式なので、箇条書き、監督名足すなどして整理。今の意見は足さず、当時のままを残す。観た全部の作品の感想を書いてるわけではない。()は観賞した映画館。

『Seventh Code』日本 監督:黒沢清 (テアトル梅田)

ゼロ年代のシリアス系深夜アニメみたいなことを実写でやっていて良かった。ネタバレ致命的なので気になる人はさっさと観た方がいい。この映画に限らないけどエンディング始まりで帰る人は本当に損してる。

『悪の法則』アメリカ 監督:リドリー・スコット (塚口サンサン劇場)

世の中では地獄の連鎖が永遠にぐるぐる廻っていて気付いたら巻き込まれてるみたいな怖いお話。1回観ただけでは把握できなかった。それにしても、見逃した映画を少し後に上映してくれるサンサン劇場はありがたい。

『劇場版 TIGER&BUNNY The Rising』日本 監督:米たにヨシトモ (梅田ブルク7)

1作目のように半分は総集編かと思いきやTV終了後の完全新作。メインキャラほとんどに見せ場があり、ファン向けの新作映画としてかなり良かった。海外ドラマみたいにずっと続いても面白いかも。

『愛の渦』 日本  監督:三浦大輔 (テアトル梅田)

いきなり裸でご対面した見知らぬ他人同士の会話や関係性の空気がめちゃ面白い。ちゃんとした映画なのにエロさも期待通りで、役者さん達の熱演に感謝すら感じた。

野のなななのか』 日本 監督:大林宣彦 (有楽町スバル座)

葬式に集まった親戚たちの人間模様という、それだけ聞くと地味な話なのだが、現在/過去/あの世/この世が畳み掛けるように進行する強烈な映画だった。

 『ガンダム Gのレコンギスタ』先行上映(第1話~第3話) 日本 監督:富野由悠季 (TOHOシネマズ日本橋)

∀以降の富野作品で目立つ「番組開始前から常に事件が進行し続けている」感じが今作もたまらない。登場キャラの雰囲気に朝アニメのような清潔感があった。宇宙世紀が終わってから1000年以上後という設定も驚き。

THE NEXT GENERATION パトレイバー 第4章』 日本 監督:押井守湯浅弘章 (ユナイテッド・シネマ豊洲)

ずっとこのまま無限に新作が公開され続けて欲しい。豊洲で観ると東京の埋め立て地の臨場感があり、つい帰りは銀座まで歩いてしまった。

 『TOKYO TRIBE』 日本 監督:園子温 (ユナイテッド・シネマ豊洲)

地獄でなぜ悪い」以上に娯楽映画に徹している感じ。悪い奴がいっぱい出てきて無茶苦茶暴れる。予告よりも実際はもっとぐちゃぐちゃで笑えます。

ザ・レイド GOKUDO』 インドネシア 監督:ギャレス・エバンス  (丸の内TOEI)

前作は超純粋アクションだったけど、今作は「個々の戦闘力がやたら高いアウトレイジ」という感じだった。日本ヤクザの戦闘シーンが無かったのが残念。

THE NEXT GENERATION パトレイバー  第6章』 日本 監督:田口清隆、湯浅弘章 (映画館の記録なし)

実写のレイバー戦あるわ真野恵里菜さんかわいいわで良かった。このまま永遠に新作が作られ続けてほしい

インターステラー』 アメリカ  監督:クリストファー・ノーラン (TOHOシネマズ 日本橋

いい意味で昔のSF映画みたいな雰囲気。序盤、現代より少し昔の話かと思わせて、荒廃した未来の地球の様子を見せていく演出が素敵。3時間寝なかった。

『日々ロック』 日本 監督:入江悠 (池袋シネマロサ)

愉快な仲間たちの中に普通に蛭子さんがいるのと、手にしてた生魚が時間の経過で干物になってるのは笑った。

『紙の月』 日本 監督:吉田大八 (丸ノ内ピカデリー)

横領実行から終わりまで続く緊張感に息を飲んだ。買い物中毒のおばあちゃんキャラが良い。

『天才スピヴェット 3D』  フランス・カナダ    監督:ジャン=ピエール・ジュネ  (シネスイッチ銀座)

ど田舎の天才少年がひとりで都会に行く話なんだけど、田舎~道中~都会まで、奥行きのある3D空間の透明感が良かった。

2014年映画館で観た新作31本からベスト10
⑩:Sventh Code
⑨:アナと雪の女王
⑧:TOKYO TRIBE
⑦:インターステラー
⑥:劇場版 テレクラキャノンボール2013
⑤:天才スピヴェット3D
④:悪の法則
③:THE NEXT GENERATION パトレイバー(第1章~第6章まで観た楽しさの合計)
②:愛の渦
①:野のなななのか

 

翌年

tenguotoko.hatenablog.com

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

【映画感想】映画『海を駆ける』いい話ともホラーとも違う不思議な話

(2018年 日本 監督:深田晃司)

テアトル新宿で【音声字幕付きバリアフリー上映】を観賞。

f:id:tenguotoko:20180610162124j:plain

音声字幕付き映画上映

音声字幕付きの映画上映経験は初だったのでどんな印象になるのか分からなかったが、そもそも外国が舞台で登場人物の多くも外国人だったこともあり違和感なく観賞。

現代インドネシア。ある町の海辺に謎の男が漂流。男は心神喪失でおとなしくしている。記憶喪失のようで、おそらく日本人のようだということで、身元が判明するまでNPO法人で(おそらく2004年のスマトラ島沖地震以来)災害復興支援している日本人女性 貴子が世話をすることになる。貴子は息子タカシと二人で暮らしている。タカシは見た目日本人で家では日本語で会話もできるがインドネシア育ちで国籍も精神もインドネシア人。タカシの友人のインドネシア人男女二人と、日本から訪ねてきた親戚のサチコの4人の淡い交流がメインの筋として描かれる。

このように文章で説明すると複雑な基本設定だが、自然な導入でひっかかりなく観賞した。

外国を舞台にした日本映画

外国を舞台にした日本映画というと、大林宜彦監督『天国にいちばん近い島(84)』や富田克也監督『バンコクナイツ(17)』もそうだったが、日本人訪問者の目線からその国を映すことで、自分もその国に滞在しているような映画体験ができる。自分が感情移入したのは日本から来たサチコ。彼女が初めて見る視線でインドネシアの海岸や広がる田園などの自然を味わえた。そのゆるやかな異国の環境を楽しみつつ、4人の男女の言葉やマインドの差のディスコミュニケーションから起こる些細なすれ違いの青春ドラマは、かわいらしく癒される。

そこに混ざる異物

それだけでも素敵な作品だが、そこに混じる異物が冒頭の漂流してきた謎の男。男の身元の手がかりらしきものも少しは見つかってはくるのだが、やはり謎。ものすげえハンサムだし、おとなしくいい人のようなのだが、ささやかに常人離れした行動を見せる。この男の何度かの行動がこの作品の映画的アメイジング(今あらためて予告編を見てみると名場面が結構映っているが、予告の記憶をすっかり忘れて観た自分は非常に楽しんだので、既に観に行くのを決めている方は予告編を見ない方がより楽しめると思う)。男の存在により、映画の中にかすかにあった不穏さがじわりじわりと増していく。

海を駆ける』の不穏さ

深田晃司監督の前作『淵に立つ(16)』は日本映画によくある「家族映画」と思わせて非常に恐ろしいことになる強度の高い傑作ホラー映画だったが、『海を駆ける』の不穏さはいわゆるホラー的な恐怖とは違う感覚。良質な青春/紀行映画の中に突如現れるアメイジングさは現代の話なのに民話を聞いているかのような感覚。例えるなら『新耳袋』のような良質な実話怪談の中にたまに紛れる不思議な話に近い感覚か。心の傷が癒されるような爽やかさがありながらも、何か取り返しのつかない気持ちが残るような感覚が体験できる。なので良い邦画を探している方はぜひ観てください。

海を駆ける』のパンフレット

f:id:tenguotoko:20180610172822j:plain

28Pフルカラー。パンフレットそのものが「解説読本」と銘打っている例はかなり珍しい。監督と主演ディーン・フジオカさんのインタビューも含め、複数人による解説を記載。その名の通りページの大半を作品の解説が占めている。明確な答えがあったり単純なメッセージを台詞で語るような作品ではないので、色々な人の解釈が読めるのはパンフレットとして良い。 

umikake.jp

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村