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【映画感想】『デッドプール2』エンタメ映画状況をナナメに横断する豊かなコメディ/ヒーロー映画

(2018年 アメリカ 監督:デヴィッド・リーチ)

TOHOシネマズ日比谷 IMAX2Dで観賞。

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 1作目以上に面白い!

1作目『デッドプール』は、規格外でありつつもヒーロー映画1作目として良質な作品だったが、今作は1作目以上に面白かった!

第4の壁を越え、自身や世界が映画/コミックであることが分かるだけでなく、様々な他の作品の内容も把握していることによるメタなギャグ。そして、不死身であることも活かしたブラックなギャグの畳みかけは、いい意味で調子に乗っており、超面白いコメディ映画となっている。

そうでありつつ、そのおふざけの行きつく先は人類愛。あらゆる差別を皮肉り、自分が何度も死ぬほど痛い目に合っても子供を助けようとする。こんなにふざけたおバカな内容なのに、普通のヒーロー映画以上にヒーロー映画してる。

前作では触れる程度だったX-MEXシリーズとの関連性だが、今作では合流に近い形で接近。人種差別問題をミュータントに置き換えて描く精神は完全に受け継いでおり。実質X-MENシリーズ最新作と言える。

だが本作の面白さはそれだけではない。後半の展開はもちろんだが、細かいギャグのオチ等も含め、ネタバレ危険な要素が実はかなり多い。最大限に楽しむために、気になっている人はSNSを閉じてすぐに観に行った方がいい。

アベンジャーズ』『レディ・プレイヤー1』と並ぶ最先端娯楽映画

2018年6月に入ったばかりの現在。GW前から続く映画公開状況の豊かすぎる洪水が止まらない。エンタメ系キャラクラー映画だけに絞っても、複数のヒーロー映画を共通の世界で展開し続けたMCUの10年分の総決算である『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。そして、世界最高の映画監督の一人スピルバーグが映画/ゲーム/アニメ文化の膨大な蓄積を素材に正統派冒険SFを実写映画でもありながらCGアニメ映画でもある有り難い作品としてまとめてしまった『レディ・プレイヤー1』。どちらか1作があっただけでその年の顔となるくらい凄い映画。

どちらも、「10年分のシリーズ展開」や、「膨大な版権キャラクターの登場と文脈の引用」という過去の蓄積の元に成立している奇跡的な存在であり、もはやエンタメキャラクター映画でそれに追いつくような作品は難しいだろうと思っていたら、また最先端映画が出た!という感じ。

ネタバレ避けるため具体的には書かないが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』がタテの蓄積、『レディ・プレイヤー1』がヨコの蓄積によるエンタメ映画の最先端としたら、『デッドプール2』はナナメに横断した最先端という感じだろうか。

観賞後には幸せな爽快感のある余韻が止まらなかった。続けて他の映画も観る予定だったが今日は帰宅することに。予想以上に面白かった。

 『デッドプール2』のパンフレット

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ライアン・レイノルズをはじめとする主演俳優インタビューや各種設定・状況の解説だけでなく、光岡三ツ子(アメコミ・ライター)、杉山すぴ豊(アメキャラ系ライター)、柳 亨英(アメコミ・エディター)によるコラムも掲載。ムック寄りに充実している良いパンフレット。もしかしたら『シェイプ・オブ・ウォーター』や『スリー・ビルボード』のパンフ「FOXサーチライト・マガジン」シリーズのクオリティを目指しているのかも。

 

映画『デッドプール2』公式サイト

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