映画とかのおはなしブログ

映画、漫画、本、などの感想とかのやつ。  ツイッター@tenguotoko

2017年映画感想ツイートまとめその2(3月4月分およそ36本分)

前回 2017年映画感想ツイートまとめその1(1月2月分およそ50本) - 映画とかのおはなしブログ

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。観た作品全部の感想を書いているわけではない。()は観賞した映画館orメディア。

f:id:tenguotoko:20180829003326j:plain

『劇場版プリパラ み~んなでかがやけ!キラリン☆スターライブ(らぁらのコース)』 日本 総監督:森脇真琴 、監督:大久保政雄 (新宿バルト9)

冒頭から適当な説明でロケットで出発。ノンストップでキラキラ騒ぎがやかましく突き進むドラッグ映画。前作にあった頭のおかしなカオスは控えめ。プリパラにしては普通のファンムービーであった。

国道20号線』2006年 日本 監督:富田克也 (新宿Ksシネマ)

ゼロ年代の地方。渋滞/消費者金融ATM/パチンコ/シンナーにまみれる、ありふれた貧困を描いた映画。2016年に名作が大量に生まれたバイオレンス邦画に10年先駆けている作品。

『退屈な日々にさようならを』日本 監督:今泉力哉 (新宿Ksシネマ)

眼鏡の映画監督を主人公にした前半1/3は抜群にユーモラスなシュールコメディで面白く引き込まれた。途中の昔話から急に真面目になり、人が死んで残された人々を描く昔ながらの日本映画になる。

花物語バビロン』1997年 日本 

『バビロン2-THE OZAWA-』2012年 日本 監督:相澤虎之助 (新宿Ksシネマ)

前者は一人の若者によるタイの阿片レポート。2はベトナムをぶらつく男が戦争の歴史に飲み込まれる劇映画だが、ほとんどフェイクドキュメンタリーのようなリアリティ!

www.youtube.com

『ボヤージュ・オブ・タイム』フランス・ドイツ・アメリカ合作 監督:テレンス・マリック (TOHOシネマズシャンテ)

地球ができるとこから生命誕生→進化→人類は何処へ行くのか的な奴までを追う自然ドキュメンタリー映画。お勉強系ではなく、美麗な映像のハッタリ一点攻めという、少し変わったトリップ映画。

『哭声 コクソン』 韓国 監督:ナ・ホンジン (楽天地シネマズ錦糸町)

韓国の田舎町で連続する猟奇殺人。山奥に住む鬼のような日本人のせいだとも。出だしから抜群に面白い猟奇ミステリーが予想できぬ方へ二転三転「悪魔」が浸食。恐怖と緊張そして謎謎謎の傑作ホラー映画。抜群に面白い上に、観る人によって様々に解釈できる作品であり、さらにネタバレ要素(予想外の展開)が一杯ある。ホラー/スリラー/バイオレンス映画/コメディ/謎の映画/などが好きな人はネタバレ入る前に今すぐ観た方がいいです。

 『雲の上』 2003年 日本 監督:富田克也 (新宿Ksシネマで)

出所した男が地元の田舎に戻るが、居場所無し。破滅寸前の友人と関わる中で、自分も破滅していく。画質の粗い色あせた映像と、頭の中に響くような音響により、シャブ中の記憶のような印象を残す映画。

ジムノペディに乱れる』2016年 日本 監督:行定勲 (楽天地シネマズ錦糸町)

板尾創路演ずる売れてないが一部で評価されている映画監督がモテまくる。「自分の映画の特集上映の舞台挨拶の最中に、関係を持った女二人と彼氏がいて修羅場」というかつてないシーンがある(笑)

『愚行録』 日本 監督:石川慶 (丸の内ピカデリー)

一家惨殺事件の真実を追い取材を続ける雑誌記者と、逮捕されたその妹の告白。明らかになっていく事実。並行して、冒頭のバス内での出来事を皮切りに、登場人物全員が持つ黒い違和感が溜まっていく。薄ら怖い映画。この作品には、2016年の暴力犯罪邦画群ほかとの延長線上のシンクロニシティがあり、合わせて観ると面白い。『葛城事件』『クリーピー』『ヒメアノ~ル』『怒り』などの黒い映画だけでなく『SCOOP!』『何者』『At the terrace テラスにて』あたりとも重なるモチーフがある。

www.youtube.com

『スレイブメン』日本 監督: 井口昇 (シネマート新宿)

内気で冴えない男の子が変身能力を身に着けて活躍するヒーロー映画…ではない!。後悔と失敗と気の迷いと間違いしかない、雑な世にも奇妙な物語。なのに、最後には謎の爽やかさなやさしさが残るという、異常な映画。

www.youtube.com

『アナザサイド サロメの娘 remix』日本 監督:七里圭 (新宿Ksシネマ)

母を亡くした女性が記憶を辿る?  脳に響く特殊な音響&劇映画/イメージ映像/前衛舞台の混ざり重なりで人の思考のゆらぎを表現したような、他に無い映画。未体験の映画体験となった。

www.youtube.com

『風に濡れた女』2016年 日本 監督: 塩田明彦 (楽天地シネマズ錦糸町)

孤独を求めて森のそばの掘っ立て小屋に住む男。謎のつよエロい女が現れ、関わろうと無闇につきまとってくる。出会い-移動の冒頭5分で既に映画的面白さをかなり感じる。驚愕の濡れ場も!

www.youtube.com

『リング』1927年 イギリス 監督:アルフレッド・ヒッチコック (東銀座 東劇/ 特集上映「ヒッチコック9」)

サイレント映画を映画館で観ること自体が初めて。全てを眼の視力で鑑賞しなければいけないというか、普段の映画観賞とは脳の使い方のモードが違うようで戸惑った。今の映画観賞って半分くらい耳で観ているんだなー。

『沈黙-サイレンス-』 監督:マーティン・スコセッシ (角川シネマ有楽町)

敬虔な宣教師が行方不明の師を追って潜入した日本は、村人が無惨に虐げられる クラシック時代劇邦画の名作のような地獄の世界だった!重く深刻な内容で、観た後に頭痛が・・・

キングコング髑髏島の巨神(IMAX 3D)』 アメリカ 監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ (TOHOシネマズ新宿)

ベトナム戦争帰還中の部隊が調査する謎の島は怪獣だらけの地獄だった! キンゴジ/モスゴジ/エビラ/ゴジラの息子 のような東宝南海モノ怪獣映画と、ベトナム戦争映画の合流!期待通りの厚切りステーキコース料理! 新怪獣スカルクローラーは、『モスラ対ゴジラ』の怪骨なのかなー。

『牝猫たち』2016年 日本 監督: 白石和彌 (楽天地シネマズ錦糸町)

3人の風俗嬢と、それぞれが出会う男たちの悲しい群像劇。池袋駅徒歩圏4分が舞台で関東の人なら知ってる場所ばかり出てくる。孤独老人やシングルマザー問題のエピソードがつらい!(それが良い)

『やさしい女<デジタル・リマスター版>』1969年 フランス 監督:ロベール・ブレッソン (下高井戸シネマ)

妻が自殺した夫婦。出会いから結婚・すれ違いの行方を回想していく。淡々と人の無理解を描くドラマだが、冒頭30秒で既に映画的興奮が輝き、最後まで緊張が続く。

『ドラゴン×マッハ!』2015年 香港・中国合作 監督:ソイ・チェン (新文芸坐)

タイトルから想像できるようなバカ映画ではなく、ハードボイルド神アクション映画。多様な人物が錯綜し、本筋が掴みにくい前半から一転。囚人大暴動シーンからは、マジ強い強過ぎる奴らの闘いが続く。雑魚一人一人でも生身でXMEN並に強いぞ!

『劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』日本 監督:伊藤智彦 (シネリーブル池袋)

ポケモンGOの1万倍凄いARゲームが流行しはじめた近い未来。大規模イベントが始まるが裏で怪しい動きが。ARの題材でSF度がぐっと増し、都心の各名所が妖しく美しく映える。TVアニメからの続編としても胸熱でTV1クール分観たように充実。

『暗黒女子』日本 監督:耶雲哉治 (丸の内TOEI)

お嬢様女子高の憧れ生徒が謎の死。取り巻き5人が闇鍋パーティでそれぞれ目線の犯人発表おはなし会。話が次々と食い違う。小品だが少女らの悪い笑顔の顔面や清水富美加さん怪演など見所もある。予告編の数が多いです

映画『暗黒女子』オフィシャルサイト

『T2 トレインスポッティング』イギリス 監督:ダニー・ボイル (丸の内ピカデリー爆音映画祭)

BGMのビートが心臓に響くような爆音だと最初は感じるも、すぐに慣れて溶け込む。普通に面白い中年青春映画だったが、1を当時リアルタイムで観た人は1000倍楽しめるのだろう。

『ハードコア』 ロシア・アメリカ合作 監督:イリヤ・ナイシュラー (楽天地シネマズ錦糸町)

超サイボーグ兵士として蘇った男の視点のみで展開するP.O.V映画。脱出/潜入/銃撃/強すぎる敵/容赦ないバイオレンス/開花する戦闘力…。王道アクション娯楽映画の主役一人称で観続ける。かつてない映画体験!

www.youtube.com

『ストロングマン』 2015年 ギリシャ 監督:アティナ・ラヒル・ツァンガリ (新宿シネマカリテ)

暇なセレブ男達が洋上で1番優秀な男を決めるゲームを行う。寝相から栄養状態まで、様々な要素について、よく分からん勝手な基準で必死に張り合う。自分もくだらんことに拘ってなかったかと思えてくる静かなコメディ。

この時点で2017年映画館で観た新作(2番館初見含む)が50本越えた。

ここまでの現状ベスト11

※昨年観た作品の再見や名画座旧作は除く
サバイバルファミリー
ハードコア
風に濡れた女
愚行録
変魚路
ドラゴン×マッハ!
なりゆきな魂、
ネオン・デーモン
KARATE KILL
哭声コクソン
人魚姫

■■■■■■■■■■■■

『グレートウォール(IMAX3D)』中国・アメリカ合作 監督:チャン・イーモウ (T・ジョイPRINCE品川)

宋時代の中国。1万体のグエムルVS最強要塞万里の長城の人力超兵器! 群体の怪獣を描いた新しいタイプの怪獣映画。ハイテンポでエンタメ濃縮。予想を上回る面白さだった。怪獣の1体1体がグエムルくらい強くて1万体以上で襲ってくるけど、人間側はあくまでも誇張した達人レベルの強さで超能力者はいない世界。主人公側もホークアイと中国的立体機動装置を駆使する女竜騎士くらいの強さ。基本的に人口の多さを駆使して人力で対抗するというのが良い。オリジナル怪獣の饕餮(トウテツ)。隕石から出てきたらしいけど、生物を何でも食う生命の敵という性質は『キングコング』のスカルクローラーと同じ。怪獣に効果のある黄色い薬(エビラに出てきたやつ)は髑髏島の住人も使っていた。将軍の子孫かもしれない同じ役者も骸骨島調査団にいたし、どうやら同じ世界みたい。

『MATSUMOTO TRIBE』 日本 監督:二宮健 (新宿武蔵野館)

知識ゼロ観賞。おかしな役者松本ファイターを追いかけた軽薄なドキュメントなんだなと思ってたら、無茶苦茶になり仰天!爆笑! 男なのに広瀬す〇の写真使用の偽履歴書でオーディションに乗り込むのは笑った。映画や役者を題材にした作品かな?くらいの認識で、過去作の存在も出演者も全く知らずの観賞。21時台の新宿で何か1本観ようと選んだだけ。その状態で観られたのがベストの映画体験だった。一期一会の映画体験求めている人は情報遮断してすぐ観るのがおすすめ。頭おかしい事態に巻き込まれる前に、女優の松本穂香さんが追い込まれる場面。それまでの無茶苦茶ギャグとのシリアス度合の段差に戦慄。先輩役者として追い込んだ高野春樹さん、調べたら『ケンとカズ』のヤクザやってた方で、そりゃ怖いわと納得。

www.youtube.com『ゴースト・イン・ザ・シェル(字幕2D)』 アメリカ 監督:ルパート・サンダース (TOHOシネマズ六本木)

場面は所々アニメ再現してはいるが、魂の抜けた「攻殻やってみた」。もしMCU新ヒーロー映画1作目が超凡作だったら、くらいの悲しいバランス。杓子定規のロボ警官モノになってしまった。原作読まずに作ったの?

押井守パトレイバー 首都決戦(2015)』の光学迷彩ヘリ、グレイ「ゴースト」の元ネタは、試作ステルス戦闘機YF-23 試作2号機の愛称。試作1号機は「ブラック・ウィドウII」らしく、『首都決戦』はハナから押井守が実写版スカヨハ攻殻とどう対峙するかという映画だったのかと今になって分かる。

『ハッピーアワー』2015年 日本 監督:濱口竜介 (シアターイメージフォーラム)

女性4人を主軸に人と人とのコミュニケーションの苦しさや希望を描く5時間17分。対話やイベントを長スパンで同時間体験。彼女らと、三宮駅の周辺で数日間過ごした気持ちになる濃密な傑作。

www.youtube.com

『まんが島』日本 監督:守屋文雄 (新宿Ksシネマ)

謎の島で狂っていく売れない漫画家達の話だが、漫画家映画ではない。今の世の中の男たち半分のどうしようもない焦燥感だけを塗りつけた、がむしゃらなトリップ映画。そして少しの癒し。宇野祥平さんが出てますよ。

 『PASSION』2008年 日本 監督:濱口竜介 (シアターイメージフォーラム)

横浜を舞台にした男女6人が惚れた惚れられたのトレンディドラマが、次第にザワザワしてくる。突然の「暴力に関する授業(!)」で映画が正体を現す。本音を対話する凄い映画。

www.youtube.com

 『らぶれたあ』 1958年 日本 監督:鈴木清順 (新文芸坐)

手紙で交流していた思い人が別人で双子の兄弟だったんで困っちゃう、という超ベタなメロドラマ短編。当て馬役で出演のフランク永井「ラブ・レター」のMVが映画になったような印象。(大林宜彦監督のAKB48『So long!』的な)

『「恐怖劇場アンバランス」木乃伊の恋』1973年 日本 監督:鈴木清順 (新文芸坐 )

江戸時代に掘り出されたミイラが生き仏と敬われる。次第に卑しい餓鬼になり村がパニックになる。という怪奇コメディと、現代でそのお話に囚われる未亡人に起こる怪談。という、すげえヘンな話。江戸パート終盤に一瞬ヤバイものが映る。

『モアナと伝説の海(吹替2D)』アメリカ 監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ (T・ジョイPRINCE品川)

アナ雪の女性の自立テーマを発展させ、アーロと少年のサバイバル要素も合流。更に、宮﨑駿とワンピースの良さを取り入れて王道少年漫画アレンジに進化。ディズニープリンセス(じゃない)映画。ガチで殺しにくる悪者の邪悪さが怖い!

フリー・ファイヤーアメリカ 監督:ベン・ウィートリー (渋谷TOEI)

銃で1、2発撃たれて致命傷になっても人はすぐには死なない。というリアリティの銃撃戦映画。ワルどもが全員撃って撃たれて重傷。足を引きずりながらも撃って撃たれてボロボロになっていくリアルバトル。

夜は短し歩けよ乙女』日本 監督:湯浅政明 (渋谷HUMAXシネマズで)

京都の町中。酒飲みたちの熱狂の一夜にそれぞれ巻き込まれる先輩と乙女。自然に始まりそのまま最後までノンストップ。93分が永遠の夜に感じられるセカイ系青春トリップ映画。

バンコクナイツ』日本 監督:富田克也 (渋谷アップリンク)

元恋人の娼婦と久々に再開した元自衛官の男。街を抜け地方を巡り人々の生活と戦争の痕跡を目にする。夜の街バンコクでのゲスな日本人男も色濃く描かれる。悠久の時間の流れも感じる偉業の邦画。

■■■■■■

新作では『哭声 コクソン』『愚行録』『風に濡れた女』『MATSUMOTO TRIBE』『バンコクナイツ』が年間ベスト級。旧作では濱口竜介監督の『ハッピーアワー』『PASSION』がどちらも衝撃的な映画体験だった。

 

次回

tenguotoko.hatenablog.com

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村