映画とかのおはなしブログ

映画、漫画、本、などの感想とかのやつ。  ツイッター@tenguotoko

2017年映画感想ツイートまとめその1(1月2月分およそ50本)

前回 2016年映画感想tweetまとめ(後編)&2016年ベスト - 映画とかのおはなしブログ

元は「〇〇なう」形式なので整理。当時の感情こそが貴重なので、今の意見は足さず、当時のまま残す。観た作品全部の感想を書いているわけではない。()は観賞した映画館orメディア。昨年からの映画中毒がおさまらず映画観まくり。1月2月だけで50本くらい感想を書いている。

f:id:tenguotoko:20180825120919j:plain

『ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映「アニメーションの神様、その美しき世界」』 (シアターイメージフォーラム)

短編「25日・最初の日(68)」「ケルジェネツの戦い(71)」「キツネとウサギ(73)」「アオサギとツル(74)」「霧の中のハリネズミ(75)」を上映。絵画や絵本が動いてるようなアニメ。最後の2作が特に観たことない映像表現。暗く厳しいのにかわゆいという独特の気持ちになった。

裸足の季節』 2016年 フランス・トルコ・ドイツ合作 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュベン (ギンレイホール)

もっと青春寄りキャッキャウフフな話かと思ったら、「ちょっと前向きなトルコの葛城事件」って感じ。結構つらめの深刻な話。

パリ、テキサス1984年 フランス・西ドイツ合作 監督:ビム・ベンダース (早稲田松竹)

テキサスの荒野で記憶喪失の男が見つかる。映画が進むにつれ、事情が見えてくると共に男の記憶も戻ってくる。男の素性周りの真相はかなりどうでもよかったが、序盤 弟の家までの移動と、後半 奥さんを見つけるまでの旅の、先のわからない先に進む感じが良かった。

雨月物語』1953年 日本 監督:溝口健二 (角川シネマ新宿)

野心に執着した二人の男の戦国無情時代劇を見ていたら、いつの間にか一方の途中が幽霊怪談になる。でも、恐ろしい話として終わるのではなく、いい話っぽくなるという不思議な印象。琵琶湖と幽霊屋敷のシーンはこの世でない感があった。

傷物語III 冷血篇』日本 総監督:新房昭之、 監督:尾石達也 (TOHOシネマズ新宿)

漫画やアニメで不死能力は珍しくないが、この作品では、首が跳ねても治る不死同士の本気のバトルが無茶苦茶な勢いで描かれる。大勢のキャラがいるシリーズの90分長編なのに、登場人物4人のみで進むのも凄い。キャストも4人だけ!

 『ラビッド』1977年 カナダ 監督:デビッド・クローネンバーグ (新文芸坐)

オールナイト1本目。事故で瀕死になり謎オペを受けた女が吸血生物に。血を吸われた人は感染ゾンビ化する。感染源である女の人がモンスターでありつつも主役でもある点と、政府の感染への対応が細かく描かれる点が珍しかった。沢山の清掃車が感染者を淡々と回収していく絵面が印象的。

『ブラッド・ピーセス/悪魔のチェーンソー』 1982年 スペイン・アメリカプエルトリコ・イタリア合作 監督:ファン・ピケール・シモン (新文芸坐)

オールナイト2本目。ハロウィンに悪魔のいけにえを少し混ぜた感じを狙ったスラッシャームービーに少年探偵ミステリー要素を足して、更にスクール青春感をふりかけてしまったヘンなエンタメ映画。プロテニス選手が何故か警察の派遣で潜入捜査官をするぞ。

『マッキラー』1972年 イタリア 監督:ルシオ・フルチ (新文芸坐)

オールナイト3本目。イタリアの山奥の町で起こる土着の呪いの殺人事件。B級スプラッタかと思いきや、そういう雰囲気は持ちつつも、これが意外にも立派なサスペンス映画!山の中の高速道路を背景にしたショットや綺麗な町並み、大人数の捜査官など、良いシーンがかなりある。

『ゾンビ3』1980年 イタリア 監督:アンドレア・ビアンキ (新文芸坐)

オールナイト4本目。嘘の邦題で、原題は「THE NIGHTS OF TERROR」という作品。サンゲリアを超劣化させたような困ったゾンビ映画。山奥の別荘を買った金持ちを地面から出たゾンビが襲うのみで物語はなし。ゾンビの絵面が汚く、スクリーン大写しがキツかった。しかし、昨日から今朝にかけて、ヴィム・ヴェンダース2本立て→溝口健二新房昭之と、最上の奴を連続で観たのに最後をゾンビ3で締めるという振れ幅最大の映画観賞をしてしまった。

『団地』2016年 日本 監督:阪本順治 (アップリンク渋谷「見逃した映画特集」)

団地に住み始めた夫婦とその住人を描いたコメディ。予告で想像できるような、よくあるタイプの日本映画ではなく、静かに面白い。更に、予想できない展開をする。まさに見逃していた映画という趣き。

www.youtube.com

山椒大夫』1954年 日本 監督:溝口健二 (角川シネマ新宿)

平安時代無常話。誘拐され荘園の奴隷にされた兄妹が、この上なくつらい思いをする。奴隷描写が残酷で本当にかわいそう。面白くもなく、感動もしておらず、主人公の行動もイラつくのに、終わってみると一時も目が離せていなかったという、今までにない映画体験だった。

『風の中の牝雞』1948年 日本 監督:小津安二郎 (神保町シアター )

終戦後、戦争から夫の帰りを待つ妻とようやく帰ってきた夫の無常話。だが黒沢清解釈の「夫は幽霊で妻も階段落ちで死んでる説」を踏まえて観ると、新聞社もタイムライフなんて名前で意味深。道に干した服も土管の奥の人も戦死者幽霊なのだろうか…

赤ちゃん教育』1983年 アメリカ 監督:ハワード・ホークス (シネマヴェーラ渋谷で)

結婚間際の生物学者が、超マイペースドジっ娘お嬢様とのドタバタに巻き込まれる。それだけでも超絶面白いが、そこに本物の豹と犬が加わり周囲の人も巻き込まれ…。「普通に面白い」タイプの面白さの映画の中で最上ではないかという程面白かった。

狩人の夜』 1955年 アメリカ 監督:チャールズ・ロートン (レンタルDVD)

大恐慌アメリカ。紳士を装った怪しい牧師が家庭を乗っ取りにやってきた!大金を狙って小さい兄妹をいつまでも追ってくる男がとても怖い。ノワールと分類されているようだけどサイコホラーだと感じた。

押井守特集〈ファンタジーの試行〉(東京国立近代美術館フィルムセンター)

f:id:tenguotoko:20180825104440j:plain

この順番で観ると、最後の『アサルトガールズ』がより楽しめるようになる(楽しくはない)という、謎の贅沢な座組だったw。周りのお客さんおじいさんばかりで押井ファンは少なそうだった。事故の様な映画体験になったのではと想像。

『KILLERSキラーズ/.50 Woman』は、謎の外国人女性スナイパーが三鷹の森病院に入院している悪徳横領プロデューサー鈴木敏夫を暗殺するために延々待機しながら菓子パン/おにぎり/ミネラルウォーターの食事を続けるだけの短編で笑った。

フィルムセンターには初めて行ったけど、客層は箱についてる常連さんみたいな雰囲気のおじいさんが多かった。大量の未公開映画を観てる人たちだと思うんだけど、近くの常連同士で「あれもう観た?スターウォーズハリーポッターは?」みたいな会話していて価値観?の逆転が起きている…

『パッセージ 牙剥く森』2015年 オーストラリア 監督:デビッド・キャンベル (ヒューマントラストシネマ渋谷「未体験ゾーンの映画たち2017」)

バカンス中の男女が、幽霊が出るという森の道路で肝試ししてホラーな目に。霊に襲われると死ぬが、登場人物が6人しかいないので大したホラーは起きない。暗くて何が起きてるかイマイチ分からんのだった…

『レジデント』2015年 デンマーク 監督:ボー・ミケルセン (ヒューマントラストシネマ渋谷「未体験ゾーンの映画たち2017」)

超低予算だが、見せ方にひと工夫あるデンマークゾンビ映画。対応の早い政府は住人が事態を認識するより先に街を封鎖。家々が黒シートに包まれ隔離された住宅地。ゾンビがほとんど姿を現さないのに独特の存在感がある。

『新・平家物語』1955年 日本 監督:溝口健二 (角川シネマ新宿)

若き平清盛が熱血。セットが美しく、画面に登場する人の数が膨大で情報量が多い。人が入り乱れる市場や何百人もの僧兵が山を下るシーンなど、迫力ある場面が多数あった。先日観た山椒大夫と原作者が違うが、少し先の時期の話で続編のようにも感じる。

西鶴一代女』1952年 日本  監督:溝口健二、『浪華悲歌』1936年 日本  監督:溝口健二 (角川シネマ新宿)

前者は後者のリメイク感もある。一人の女性が周囲の無理解と貧乏で酷い不幸になる話。無責任でクズな男(女もいるか)しか出てこない。この可哀想で悲惨な女シリーズが後にゴダールとかに継がれるのか…

『マッドマックス怒りのデス・ロード〈ブラック&クローム エディション〉4DX2D』アメリカ 監督:ジョージ・ミラー (ユナイテッドシネマ豊洲)

この作品自体は3度目。構図の美しさやマシンディテールが白黒で鮮鋭となり神話感。座席から落とされそうな振動、煙、雷光、水浴びの嬉しさ。4DXはこの作品の為にあったのか!これまた最高!

新宿スワンⅡ』日本 監督:園子温 (TOHOシネマズ新宿)

歌舞伎町舞台でさぞ臨場感あるだろうと思いきや、すぐ横浜に行く。前作より明るい雰囲気になりスカウト達もなんか仲良し。ヤクザ映画風の熱血サラリーマン映画みたい。大量の人物が出るが、広瀬アリス中野裕太など主要人物の出番の凹凸がなんかおかしく、ヘンな気持ちになる。シリアスな話で登場人物達は命懸け。だけど後半のキャバ嬢コンテストになったら、さっきまで潰し合いしてた奴らがスポーツ観戦状態でわちゃわちゃ。お前コンテストに出る側だろという広瀬アリスも普通にひな壇側にいるのもヘン。不思議な踊りを披露し、なんか可愛いからキミが優勝!みたいになって笑った。

『HOUSE/ハウス』1977年 日本 監督:大林宜彦 (目黒シネマ)

10年位前ビデオで観たきり、劇場は初。スクリーンで観ると冒頭から既に夢の中のよう。物語だけなら残酷な幽霊屋敷譚なのに、少女漫画的ルンルンお花畑が突き抜けて、テンション高い謎の異次元視覚体験に。まだJホラーの概念が無い時代の作品だけど、「入浴中に湧き出てきて襲おうとする謎の長い髪の毛」は既に登場していた。幽霊が猫の姿にもなるのは呪怨が引きついでる。家に喰われた犠牲者が生首で漂う謎時空は白石晃士監督がコワすぎ等でリスペクトしているのかな?。大林監督の旧作を全部映画館で観たいです。

吸血鬼ゴケミドロ』 1968年 日本 監督:佐藤肇 (目黒シネマ)

怪しく不穏な夕焼けの中を飛ぶ飛行機。爆弾テロ予告が入り内密に荷物検査をする→それとは無関係の暗殺者がハイジャック→と思ったら窓の外に謎の発行体が見えて墜落!という冒頭の展開が凄い!生存者のいざこざ展開は退屈だが、ゴケミドロの存在感は独特だった。今回の『HOUSE/ハウス(1977)』『吸血鬼ゴケミドロ(1968)』の併映。佐藤肇監督がHOUSEのノベライズも手掛けたからという大林監督の意図らしい。怪しい夕焼けもここから引用したのかな。ゴケミドロは時期的に『世にも怪奇な物語 (1967)』「悪魔の首飾り」を引用っぽいけど。

 『お遊さま』1951年 日本 監督:溝口健二 (角川シネマ新宿)

未亡人お遊さんの妹がお見合いするが、男はお遊さんに惚れる。仮面夫婦とお遊さんの3人による無理のある逃げ恥生活。他に観た溝口作品より主要人物やショックな出来事が少なく地味なのだが、その分不思議な長回しショットなどをじっくり堪能できた。

『BLACK JACK 瞳の中の訪問者』 1977年 日本 監督:大林宜彦 (目黒シネマ)

2年ぶりの観賞、劇場では初。幼稚では無くかといって劇画的なものとも違う「手塚漫画」的なものを実写で表現した唯一無二の映画。映画館廃墟からのSL&ピアノ→海・湖の異常テンションが素晴らしかった。公開当時の評価は低かったらしいが、宍戸錠ブラックジャックが顔面の汚らしい小太りオッサンなせいと、手塚治虫リテラシーがある程度無いと分からない要素があることが原因じゃないかな。宍戸錠の芝居自体は漫画を意識しているし、女の子が演じて声優が吹き替えてるピノコは結構凄い。この後で『瞳の中の訪問者』原作エピソード「春一番」を久々に読み返してみた。原作だと瞳に映る男は証拠隠滅の為に殺そうとする。映画では角膜主である一度殺したパリの元恋人への思いを忘れられず再び殺そうとする。つまり映画では、女が瞳に映る男に囚われているだけでなく、男も自分の頭の中の女だけを見ている。

『はなればなれに』1964年 フランス 監督:ジャン=リュック・ゴダール (新宿シネマカリテ)

クズ男2人が一人の女の子に惚れて楽しい時を過ごす。だが、そのうち女の子をそそのかして大金を盗もうとしてしまう。内容の半分以上の内容がヒロインのアンナ・カリーナの萌え映画だったぞ。

『東北の神武たち』1957年 日本 監督:市川崑 (シネマヴェーラ渋谷)

東北の山奥すぎる貧乏過ぎる集落。口減らしの慣習で、長男以外の男達はヤッコという半奴隷の身分。今のホームレス以下のド汚いビジュアルの男達。その中でも臭いと除け者にされる一人の男の、ほのぼの日常コメディが神話になる(!)

 『アンチポルノ』 日本 監督: 園子温 (新宿武蔵野館)

タイトル通りポルノ映画ではなく、日本の表現の自由など諸々に疑問を訴えるようなメッセージ映画。原色の部屋が目に焼き付く中、夢/妄想/劇中劇/現実/回想の境目が反転したり混ざる感じが面白かった。いわゆる映画ファンが観るよりも、普段アニメしか観なくてシャフトアニメのシリアス回とかセカイ系アニメの精神の内面を描く回とかが好きな人が観てみると作風がマッチして非常に楽しめると思う。

『EVIL IDOL SONG』 日本 監督:大畑創 (キネカ大森)

いわゆるJホラーではない。前半は2016年日本の芸能ゴシップの雰囲気を刻む魔女的ホラー。だが、能天気な人物達の行動により展開は斜め上の上に進む。後半は、死が溢れるのに優しい時間が漂うヘンテコなほのぼの爆笑コメディになる(!)。悪魔になったヒロインと、悪魔の歌を聴いて聴力を失った事務所の社長が、二人で仲良く楽曲づくりを地道にするシーンでは笑ってしまった。まさかこれ、耳が聞こえなくなった人でも音楽作れるでしょという映画『FAKE』への大畑監督なりのアンサー?

 『なりゆきな魂、』日本 監督:瀬々敬久 (渋谷ユーロスペース)

バス事故で生き残った人々の会合を中心に、今の日本を象徴するかのような不条理に様々な人が見舞われる様を錯綜して描く。突発的理不尽・時系列の狂い・話の繋がらなさが独特の印象を残す強烈な映画。この作品は、2016年暴力犯罪邦画群の遅れてきたまとめのような印象。ディストラクションベイビーズ/淵に立つ/永い言い訳/怒り/華魂 幻影をミキサーにかけて、さらに海外からイレブンミニッツの思想を振りかけて、ロマンポルノリブートしてからちゃぶ台をひっくり返したような映画!。さらには、井の頭公園に関する偶然のシンクロニシティにより、松江哲明『ライブテープ(2009)』とTVアニメ『Occultic;Nine-オカルティック・ナイン-(2016)』を事前に観ておくと、生と死の錯綜感がアップし、より一層楽しめてしまうのでオススメです。

www.youtube.com

『変魚路』 2016年 日本 監督:高嶺剛 (シアターイメージフォーラム)

全編沖縄弁の東京弁字幕!シュール演劇みたいな神話のような何か。見えないモノも自然に映る。超カルト作品だが、単にそう呼んでしまうのも違う。沖縄の本質かのような謎の優しさと悠久の時間が在る超映画!。序盤は「ホーリーマウンテン」と「この空の花 -長岡花火物語」を同時に観てるようなヤバイ映画だ!と思うのですが、だんだんそれらとはまた別の、よくわからんヤバイダウナーなトリップが広がるので、変な映画が好きな人はとにかくすぐ観ればいいです。

www.youtube.com

ネオン・デーモン』2016年 フランス・アメリカ・デンマーク合作 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン (TOHOシネマズ六本木)

新人モデルの辛苦ドラマかもと思いきや、業界の裏スリラー、→を装ったサイコホラー、→の皮を被った何か別の映画!? 怪奇少女ホラーまんがを、超スタイリッシュにしたような楽しさもある。

『人魚姫』2016年  中国・香港合作 監督:チャウ・シンチー ( シネマート新宿)

海を開発する無敵若社長と、その暗殺を狙う超絶かわいい天然人魚の特撮ラブコメ。昭和東宝怪獣映画とアイアンマンと赤ちゃん教育を一度に観たようなデタラメな勢いと情熱。予想以上にめちゃ面白く、ひっくり返った!

ドクター・ストレンジ(IMAX3D字幕)』 アメリカ 監督:スコット・デリクソン (TジョイPRINCE品川)

異次元規模のデカイ話なようだが、病院内と通り抜けフープで繋がった4つの建物周辺だけの話なのでスケールは小さい。IMAX3Dならではの異次元没入体験ができるシーンが3回くらいあり、そことラスボス戦は良かった。

『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』2016年 アメリカ 監督:リチャード・リンクレイター (渋谷アップリンク)

大学入学で野球部の寮に入り授業開始までの3日間。延々続く調子こいたバカ騒ぎ。それをずっと見ているうちに永遠に思えた青春の無限の可能性/輝きそのものを感じる。

虐殺器官』 日本 監督:村瀬修功 (TOHOシネマズ日本橋)

多発する大量虐殺の謎を追う近未来戦争・潜入捜査サスペンス。ゼロ年代中盤くらいまでのシリアス深夜アニメが持っていた空気感のある「今作られたゼロ年代アニメ」。原作未読なのに懐かしい気持ちになった。

『ストーカー』1979年 ソ連 監督:アンドレイ・タルコフスキー (新宿ksシネマ)

劇場で観るのは初。謎のエリア「ゾーン」を探索しようとする二人の男と案内人。抜群に綺麗な画と、謎に満ちているが異常な部分は見えないという異空間表現が良く、「難解で寝る(笑」みたいな印象では全く無い、クールなSF映画だった!。この作品を初めて映画館で観て気付いたこと。昨年DVDで一度観てるのだが、その時の記憶がトロッコ以降欠落していてゾーンに入ってからは初見としか思えない。まさかあの時、序盤以降ほとんど寝てたのに自分で気づいてなかったのか!(笑

『サバイバルファミリー』 日本 監督:矢口史靖 (TOHOシネマズ新宿)

東京で突然の停電?と思いきや、あらゆる電気が使用不可能に。水も食料も無くなる。徐々に物々交換になる様子や、高速道路を西へ移動していく人々など、程よいリアリティがあり予想より面白くなる。基本はコメディなんだけど、死や治安の悪化もうっすら描かれている。街がざわついていく感じや噂が浸透していく感じなど、徐々に日本の日常が崩壊していくのが家族の周囲の描写だけで分かる。『アイアムアヒーロー』などゾンビ映画に通じる雰囲気もあった。

『ホワイトリリー』 日本 監督:中田秀夫 (新宿武蔵野館)

奔放な女性陶芸家と、その弟子となった真面目な女の子のドロドロした恋愛映画。執着してるけどそれは愛なの?みたいな話。終盤、みんな裸でおかしくなった中に突然別の女がまた乱入し脱ぎだすシーンでは近くの席の知らない人と一緒に笑ってしまった。

『SCOOP!』 2016年 日本 監督:大根仁 (目黒シネマ)

凄腕のパパラッチカメラマンが、編集部入りたての新人の女の子の面倒を見ながら特ダネを狙うことに。福山雅治演じる下衆くて時代遅れだがプロフェッショナルで情に熱いカメラマンが痛快。コンビで次々と特ダネを狙う前半がテンポ良く、かなり楽しい娯楽映画。

『何者』2016年 日本 監督:三浦大輔 (目黒シネマ)

一緒に就活に励む意識高い系大学生たちの輝ける青春… は表向き。ほとんどの人物が上滑り&マウンティング。何も掴めないままもがき続ける背筋の凍る青春映画。この感想を書くことですら作品に取り憑かれそうな怖い作品。

『SCOOP!』と『何者』の2本立て上映。二階堂ふみさんがメインで出演しているという部分以外にもリンクがある。『SCOOP!』では、入りたての新人と行く先が見えないベテランや仕事・業界を描いている。『何者』で描かれたことの延長線上にあり、連続で観ると独特の印象になる。

グリーンルーム』2015年 アメリカ 監督:ジェレミー・ソルニエ (新宿シネマカリテ)

不良パンクバンドが殺人現場を目撃。消されそうになる。一部屋に立てこもり、なんとか脱出しようとする。不慮の状況だが、敵味方各人物がパニックにならず、少し考えてから行動するという探り合いが面白い。

『夜のプリティーリズム・レインボーライブ4週連続一挙上映会 』2週目 2013年 日本 監督:菱田正和 (新宿バルト9)

TVアニメ第14話~26話を上映。だんだん各キャラの感情ほとばしるメロドラマのつるべうち展開になってくる。映画館で観ると、後のキンプリに繋がるステージの高揚感は既に存在。応援上映でないが自然に拍手が巻き起こった。

『At the terrace テラスにて』2016年 日本 監督:山内ケンジ (新宿武蔵野館)

大きな家のパーティー。顔見知り程度の人らがテラスに出入りしてかみ合わぬお喋り。なぜ話題がそっちに?当人達にはキツいが、眺めているこっちからはめちゃ面白いというコメディ。

www.youtube.com

『夜のプリティーリズム・レインボーライブ4週連続一挙上映会 』3週目 2013年 日本 監督:菱田正和 (新宿バルト9)

オールナイト3週目。TVアニメ第27話~39話を上映。主役9人の友情と家族のお話を少しずつ織り重ねていった結果、このクールになると愛と感動のメロドラマが毎話 嵐のように巻き起こる名作に化ける! 交差の起点となる第35話が特に素晴らしかった。

『SYNCHRONIZER』2015年 日本 監督:万田邦敏 (渋谷ユーロスペース)

脳波で義手を動かす研究をしている男が、母親の認知症治療目的に人間同士の脳波を同期させようとするが、繰り返すうちに違和感が侵食する。90年代Vシネマの空気も感じる静かな科学怪奇映画。

www.youtube.com

散歩する惑星』 2000年 スウェーデン・フランス合作 監督: ロイ・アンダーソン (北千住シネマブルースタジオ)

どこかの都市。どこかへ行こうとする人々による車の大渋滞やデモが街中に広がる。人々は不条理を嘆く。全ショットが映画的。科学要素無いのにSFにも見える凄い映画!。黒沢清監督がのちに『トウキョウソナタ(2008)』で大いにオマージュしているような感じがする。また、後半の凄い遠くからゆ~っくり近づいてくる幽霊(死の気配?)は、のちに『イットフォローズ』が上手くホラー演出に転用してるのかも。

www.youtube.com

『シャークネード4(ザ フォース アウェイクンズ)』2016年 アメリカ 監督:アンソニー・C・フェランテ (レンタルDVD)

4作目なのに悪ふざけの積み重ねと謎の家族愛の勢いが衰えない。冒頭からの安易なスターウォーズパロディ以上に、5年間シャークネードが発生してない設定なのに開始6分くらいで新たなシャークネードが発生する潔さがとてつもなく面白い(6分にはスターウォーズ風オープニングロールの時間も含まれています)。竜巻サイドがパワーアップして、ファイヤーネードや原子力発電所を巻き込んだニュークリアネードになる。一方、主人公側もパワードスーツやサイボーグで対抗。楽しい怪獣災害映画に。

 

赤ちゃん教育』も『人魚姫』も『散歩する惑星』も目黒シネマでの『HOUSE/ハウス』もバルト9での『プリティーリズム・レインボーライブ』オールナイト上映も最高だった。

3月分に続く

tenguotoko.hatenablog.com

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村